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俺にできることは、生きることだけ。

満たされない。満たされない。
実家に帰って、一週間帰って、一人暮らしの家にもどって、一週間のオンラインインターンプログラムを忙しく、自暴自棄になりながら、がむしゃらにこなすつもりだった。
それが半年ぶりに友達に会ったことで濃厚接触者になり、二週間の自宅待機を命じられた。

幸い症状は全く出ずに済んだものの、家族みんなで田舎への帰省を諦めることとなった。諦めさせてしまった。インターンプログラムを実家で行うことになり、姉の部屋を借りることになった。
迷惑をかけたなと思っても、いくら謝っても、家事をやろうと慣れない申し出をしてみても、すぐ許されるし、断られてしまう。

僕にできることはなんだろう。

迷惑かけた罪滅ぼしのためにやろうとした全てが空回りするたびに、存在価値みたいなものを問い続けることになってしまう。

生きることだけだった。

いつも感じる希死念慮が、不完全燃焼のまま霧散してゆく。いつもはどろどろと残る燃えないゴミを、残滓として心の奥に埋め立てることを許されない。
親の前でこんな気持ちは無力だ。

生きるしかない。

これは呪縛かもしれない。けど、希望だ。
ただ生きろと言われることの難しさを知っているか。
わからないかもしれない。簡単なことだと思える気持ちを失くしたわけではないから。

でも、ちょうど、この霧散したヘドロを拾い集めて生きることに飽き飽きしてきたところだ。
ちゃんと、前向いて、歩いていこう。
それしか自分にできることは無いのだから。
生きるしか、してあげられることはないんだから。
いつまでも、元気でね。
俺も、こっちで元気でやってるからさ、
また帰った時は、楽しい話をしてみせるから。

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