令和版Fuck GTO
前書き
(”FuckGTO”という本記事タイトルはCharlie Carrelというポーカープロが投稿した動画を基にしています。とてもオススメな動画です、本記事の末尾にリンクを貼っておくので、ぜひ翻訳ツールなど活用しながら観てみてください。)
お久しぶりです。
僕がポーカーに熱中していたのは2016年~2020年頃なので、あの頃から4年以上の時間が過ぎてしまったようです。
その間、ほとんどポーカーをやれずにいたのですが、その頃からポーカー界は目まぐるしく発展した様子ですね。
なにやら僕の知らないポーカー学習関連のツールやサービスがとても増えていてどれも興味深いです。
そんな浦島太郎状態ではあるのですが、このお盆休み、「久しぶりにポーカーをやるぞ!」と意気込みWPT Taiwanに行ってきました!
4つのトーナメントに参加し、かなり運が良くプラス収支で終わることができました!
(合計バイイン28000TWD/賞金130093TWD/収支+102093TWD)
実は今年ポーカーをやるのは3度目で、
1度目はGWに博多旅行に行った際、30エントリー中4位(入賞)、
2度目は東京で20数エントリー中優勝と、これまたかなり上振れています。
少ない試行回数でトーナメントに参加し勝ちが続いているのは、当然ですがたまたま運が良かっただけです。
それでも、プレーをしていて「あのとき熱中していたことが今でも役に立つなぁ」と思うことが自分なりにはあります。
それと、ツールが広く普及したことの裏返しにテーブルトークやSNSで「それは間違っているかもしれないな」と思うような議論が漏れ聞こえてくることが増えました。
そこで、今改めてポーカーの戦略について考えていることをこのnoteで整理していきたいと思います。
今は4~5年前のように日々ポーカーに接する生活ではできませんが、
ポーカーは生涯に渡って楽しめるゲームだと思ってるので、学習は続けていきたいと思い、このnoteもスローペースで更新していきます。
学習系ツールを使ったよくある勘違い(?)について
ソルバー・ソリューション系のサービスが一般に普及した結果なのだと思いますが、よく「ソルバーではこのハンドはチェックだから、あのときベットしたのはミスだった」といったような会話が漏れ聞こえてくる機会が増えたように思います。
実際に、そのように特定のシチュエーションで特定のハンドの扱いの学習を促しているツールもあるように思います。
(きっとこの4~5年の間にも擦られ倒したテーマなのではないかと思いますが・・・)これはかなり非効率な学習方法だと思います。
なぜならば、ソルバーのアクションが「最適解」と呼べるには以下2つの条件が必要であり、現実的にそれは起こり得ないからです。
A:相手の残存レンジがソルバーと同じであること
B:相手の各アクション(戦略)がソルバーと同じであること
この2つの条件は以下のように言い換えてもいいと思います。
A':自分が戦略を変更し、利益を増やすことができない状態であること
B':自分が均衡解から外れた戦略を取った場合に、相手が戦略を変更し、エクスプロイトしてくる可能性があること
もちろん、それが「最適解」(もっとも期待値の大きな戦略)ではないとしても、”ソルバー通りのプレーができれば”期待値がマイナスになることはないかもしれません。
しかし現実には”相手がソルバー通りの戦略ではない”ことと同様に”こちらがソルバー通りのプレーをすること”も現実的ではありません。
なのでソルバーのアクション一つを切り取って自分のハンドを振り返ることはあまり有意義だとは思えません。(決して無意味だとも言いませんがその話はまた別の機会に。)
かなり極端に簡単な例を出すと、リバーでIPからナッツで1コンボ100%pot betをするならば、2コンボでブラフをする必要があります。
実際に、ソルバーでもそのような計算結果がでるでしょう。※
(※エフェクティブスタックがpotと同額でIPのレンジが完全にポラライズされている場合。)
例えばこういう均衡解があるときに、「ナッツでポットベットをすることだけを暗記する」ことや「2コンボをブラフpot betすることだけを暗記する」ことには全く意味がありません。
ここでソルバーの画面から学び取れることはせいぜい「100%pot betにはバリュー1コンボに足してブラフを2コンボいれましょう」くらいなもので、どのハンドがどういうアクションをしているかという単体の情報に意味はありません。
ポーカーにおいて身につけるべき力とはなにか
まず、そもそもポーカーを勉強するといっても、なにを学習するべきなのか。自分なりに定義付けをしてみます。
ポーカーを上達するためには(そして、勝てるようになるためには)
「相手の戦略に対して最も期待値の高い戦略とは何かを考え、それを実行できるようになること」が重要であり、そのためには以下の5つの力を身につける必要があると考えています。
①相手の戦略を(素早く正確に)観察・推定する力
②相手の戦略が均衡解からどれだけ外れているかを測る力
③その均衡解から外れていることを利用して自分の利益を増やす戦略を考える力
④その戦略を正しく有効に実行する力
⑤相手が戦略を変更するたびに素早く①~④に戻る力
(そして”負けないようにする力”とは相手に①~③をさせない力だと思います。)
学習ツールで鍛えることができる力とはなにか
そして、学習ツールが上記の何に役立つかといえば、(その全てに役立つと信じていますが)まずは「②を身につけるツールだ」くらいに認識した方が
むしろ有用なのではないかと思います。
もちろんソリューション系のツールはnodelockなどの機能を活用することで③をより効率的に学習することもできると思います。今はもっと便利な方法が開発されていたりするのでしょうか?
とはいえ、
①③④の力はソルバーを活用する以外の努力も重要であるように思います。これがこの記事で一番言いたかったことです。決してソルバーなどのツールやサービスの不要論を唱えるものではありません。
むしろ、ソルバー以外にも上達方法が沢山あることが、ポーカーの面白さや人気の所以なのかもしれませんね。
今後はこのnoteで上記5つの力を身につける方法について、書けることがあったら良いなと思います。
(っていうかチャーリーがこの動画出したとき、まだ平成だったんですねー!)
(本記事タイトルの元ネタ動画)
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