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FF16体験版そんなに期待抱けなかった話

 この記事はFF16の体験版で知り得るストーリーに触れています。またネガティブな意見に偏っていますので、この先を読まれる場合はその点ご承知おきください。

まえがき

 私は現役でFF2から(10の続編、13の続編を除く)シリーズをあそんできました。最近はスクエニからリリースされるゲームのほとんどに期待ができなくなってしまいましたが、FFの正式な最新ナンバリングタイトルなので体験してみることにしました。
 世間の反応は皆さんの知る通りとても良いのですが、私は世間で絶賛されているほどの好感触に共感できていません。最近ネット上のモラルが向上したのかネガティブな意見を観る機会が減ってきました。実際、過剰にネガティブ情報を発信することは不利益にしかならないので賢い選択であるしその方が幸せになれると思います。しかしながら、私自身の感想は本物であり、それと同じ感想を抱いた人を見つけられないのは悲しいものがありました。
 私のゲームの評価の仕方は厳しすぎるし、他の良作と比べ続けることは幸せなゲーム人生を送る為には良くない姿勢だと理解しています。とはいえ私の感想は単なる激情ではなく理由を説明できるものなので、共感できる誰かと語れないのであれば、それを文面に吐き出したく思いこの記事を書きました。

総評

 体験版の範囲では、クオリティの高い凡作という印象。世間の評価はかなり盛り上がっているのですが、その熱に同調できるほどの印象を抱くことはできませんでした。
 私がFFに求めているのはストーリーなので、FF16のアクションゲームとしての要素は重視していません。したがって、本作の評価は本編のストーリーがどうなるか次第。現時点ではクソゲーにも凡ゲーにも神ゲーにもなり得るという印象でした。体験版の範囲では、未熟な年齢ならまだしも壮年期にまでなってなお人生を復讐に捧げる動機としては説得力に欠ける展開で、今後納得できるさらなる動機づけが行われるのかが私のFF16に対する評価の分かれ目になりそうです。

以下、体験版の感想を列挙します。

<良いところ>

・ロード時間がないのはすごい
・戦闘アクションの演出はとてもよい。うまく操作できたときの爽快感はひとしおであることは想像に難くない。
・アクションゲームとして楽しさを感じられる人にとっては、2周目以降のやり込みもあるのでかなりの良ゲーになるのは間違いない。

<どちらでもないところ>

・体験版で体験できる序盤のストーリーは凡庸だった。
・画質についてこれまでゲームハードをまたいだときに感じた、明らかな変化は感じられなかった。

<悪いところ>

・迷子になりやすい。また、そのたびにL3押し込みでルート確認するのがストレス。
・マジックバーストの指への負担が大きいのとタイミングがシビヤすぎる。
・「オートアタック」をつけないと難し過ぎ、つけると簡単過ぎ。アクションもそこそこに楽しみたいプレイヤーにはちょうど良い難易度が無いかもしれない。

所感詳細

 総評で簡単に感想を列挙しましたが、その感想に至った細かい経緯をタイムラインに沿って細かく説明していきます。

冒頭~壮年期~

いきなりはじまる召喚獣バトル

 早速召喚獣バトル、ずっと操作し続けないといけないQTEという印象。プレイヤーの操作が制限されるくらいならムービーにしてほしい。なぜこのシーンが差し込まれているのかは体験版終盤(2時間近く経過時点)までわからないのでプレイヤーが置いてけぼりにされていて、ストーリーの導入としては意味を成していないと思った。

操作可能になって最初に見る景色

 プレイヤーの操作が可能になる。眼前に広がる荒廃した風景。3DCGとしては綺麗なのだが風景としての美しさは感じなかった。ゼルダの伝説やエルデンリングで用いられている、『狭い洞窟から抜けて広大な大地が広がった時の解放感を伴う爽快感』を知っているととにかく物足りない。岩壁が視界を遮っていて閉塞感があったせいだと思う。視界が開けていれば幾分かマシだったかもしれない。風景を見せたいわけではないなら、このロケーションから始めなくてよかったんじゃないかと思う。

期待に胸躍らせて始めたが、色合いが地味でときめかない

 事情はわからないがなにやら戦争している様子。ここまで全体的に感じるのは色合いの地味さ。ライティングが暗いだけでなく黒っぽい服装が多いせいで画面全体が暗い。これは私個人の好みで普遍的にそうであるべきとは思っていないが、色味による視覚的な刺激が欲しかった。

突然見せつけられる絡みシーン

 場面が指揮官同士の会議に変わり、軍人二人の謎の絡みを見せつけられる。目の保養になるような演出でもなくただ不快だった。不快に感じたのは私の経験や年齢によるものかもしれないが、少なくとも必要なシーンだとは思わない。
 戦闘デモ用のモードで、彼女が「本当は望んでいなくても体を使ってでも生き延びるしかなかった」といった発言をしていたのでその伏線として表現されているのかもしれないが、そのシーンまではプレイ時間的に離れすぎているので仮に私の想像が合っていたとしても、もうすこし上手に表現してほしい。

シヴァvsタイタン

 場面が戦場に戻りタイタンとシヴァの対決シーン。FFX以降は特に新しいFFが出るたびに召喚獣のイメージがガラッと変わっていた印象があったので、今回はデザインが14や15の使いまわしのような印象で新鮮さは無い。逆に言えばFFらしさをこういう形で残したとも受け取れる。

名も知らないモブ同志が脱落

 召喚獣対決のあおりを受けて崖を滑り落ちるクライヴ。名も知らない仲間が岩の下敷きになって死んでしまい、クライヴは仲間の死を惜しんでいるようだが、私は彼のことを何も知らないのでクライヴに感情移入できない。

回想シーン~導入~

チュートリアル項目毎に挟むカットシーン

 青年時代の回想がはじまり戦闘チュートリアル。チュートリアル1項目ごとに指南役のカットインが入る。セリフを喋るだけにして、チュートリアル操作はノンストップで続いてくれたほうがよかった。とにかくテンポが悪い。
 操作についてはプレシジョンドッジ(ジャスト回避)が想像以上にシビヤなことに驚いた。片手間にできるアクションではないなと感じた。使える技がとても少ないこともあり、チュートリアル時点ではダメージの小さい通常攻撃でペチペチしているばかりで戦闘の楽しさを感じることはできなかった。

なぜか足蹴にされるクライヴ

 母親でもあると思われる王妃に足蹴にされているクライヴ。どうやら弟の方が大事にされる要素があるようだが主人公もフェニックスの力を持っていることがチュートリアルでもわかっており、少なくとも一般人に比べれば強力な能力を持っているはずなのになぜ足蹴にされているのかこの時点ではわからず困惑。
 のちに召喚獣と一体化できる?「ドミナント」ではないからということがわかるが、それにしたってクライヴも能力の片鱗をもっているわけでその理由だけでここまで邪険に扱う心情は体験版の範囲では理解できない。他に何か理由があるのかもしれない。

フムフム奴隷制度があるのか
魔法を使う「ベアラー」の方が奴隷より地位低そうな感じ

 魔法を使って働かされている人たちはベアラーと呼ばれているらしい。奴隷という言葉も使われており、ベアラーと奴隷の違いがわからない。なんとなく奴隷の中でも最底辺な扱い受けているような印象を受けた。水を作っているところをみるとインフラという重要な役割を担っているのに、それでも底辺の扱いなのは理解できなかった。

重いものを押す時にX→R2の流れになる嫌な予感

 門を開けるときにR2を押させられる。トリガーが重くなるのがPS5コンとローラの新機能らしくそれを使いたかったのだろう。その後も何度もこの操作をする箇所があり、正直いらない演出だと思った。

FF13で揶揄されていたような専門用語連発が始まり頭パンク気味

 父親である大公との会話。他国との関係について専門用語や地名の連発で全く頭に入ってこない。回想が始まってからずっとおいてけぼりだ。その間ずっと南方の話をしていたのに、クライヴは北へ向かうように指示される。  
 ここでアクティブタイムロアの説明が入る。そこで情勢の説明が読めるなら戦争が起こりそうだというニュアンスだけ伝えてくれればこの後の展開には付いていけるわけで、固有名詞を並べてまで南方の話しなくてよかったのではないか。

背景が綺麗すぎるのか、人物まわりが浮いて見える

 建物や装飾品は過去の体験と比べてとてもきれいなのだが、人物はなんだかのっぺりしていて同じようにきれいだと感じなかった。改めて確認して気づいたのだが、背景が綺麗すぎて相対的に解像度が低く感じてしまったのだと思う。

回想シーン~北の森への出撃~

ワールドマップの質感は好き

 ワールドマップはジオラマみたいな質感で好印象だった。

メニュー画面のキャラクタがドット絵なのもイイね

 メニューではパーティーメンバーが2Dドットで表現されていてカワイイ。

オート系アクセサリで難易度調整できるのね

 自動で攻撃や回避をしてくれる「オート系アクセサリ」をつけることで手軽に遊べるようになっていることに気づく。アクションが苦手な人でも抵抗なく遊べるのは良い。
 「オートアタック」を装備して戦闘をしてみると、本当に適当に□ボタンを連打してるだけで戦闘が終わってしまう。苦手な人には良いシステムだが、それなりにできる人がこれを使うと楽しめないと思ったので「オートアタック」は外してプレイすることにした。
 「オートアタック」装備状態で繰り出されるコンボはかなり派手で見た目的にはかなり楽しかったのだが、ワンボタン連打するだけの戦闘を何十時間も耐えられるんだろうかと心配になった。また、これをマニュアルで繰り出すのは厳しいだろうなとも思わされた。見た目的には派手で良いのだけど自分の技量不足を思い知らされるので知りたくない事実を突きつけられる様で嫌な感じがした。

FF8のガンブレード感覚で楽に出せると思ったら大間違い

 剣撃と魔法を交互に撃つテクニック「マジックバースト」を手動で行おうとすると、タイミングが難しい。素早い入力とタイミングの把握が必要で、入力可能な頻度も高いのでめちゃくちゃ指を酷使することになりしんどかった。体験版を遊び終える頃には右手の親指の腱が痛くなってしまった。マジックバーストを捨てるか、「オートアタック」を使うしかなさそうだ。チュートリアルが入るのでいかにも「マジックバーストしたほうが良いよ」というメッセージに受け取ってしまったがそんなに重要ではないのかもしれない。普通の剣4連撃する場合にくらべてテンポが悪くなるので操作していても気持ち良くなく、このシステムの良さを体感できなかった。私が下手すぎるだけかもしれない。

ガイドがなく迷いがちなのでL3を頻繁に使うことになりそう

 ミニマップも方角も表示されないため、自分がどこから来たのか、どこに行けばいいのか把握しにくい。この狭いエリアのミッション中でも見失ってしまったので今後同様のストレスを感じることが増えそうだ。L3押し込みで行先を教えてくれるのだが、頻繁にこれを押すことになるのは想像したくもない。

FF12みたいにオーバーレイでの戦闘結果表示の方が合ってる気がする

 ボスとの戦闘が終わると結果通知が挟まる。ロードレス、シームレスと途切れないことをウリにしているのに、なぜここで流れを止めるようなシステムを採用したのか理解できなかった。雑魚敵の戦闘はそのようになっているので、硬く長い戦闘が終わったから休憩してねという配慮のために入れているのかもしれない。そんな理由ならいらないです。

攻撃の種類少ないのに固いから退屈

 対モルボル戦。使えるスキルが少ないせいなのだろうが、最初に戦うボスにしては戦闘時間が長すぎた。強いのではなく固いだけなのでとにかくめんどくさかった。長い戦闘中ずっとなかなか出せないマジックバーストと格闘し続けたこともあり楽しくなかった。

回想シーン~襲撃~

ここプレイアブルにする必要あったのかなあ…

 襲撃の終盤、再びフェニックス対イフリートの召喚獣対決がはじまる。冒頭と同様操作させる意図がわからなかった。移動が自動で行われるため自分で操作している感じがなく、観るだけのムービーで映像に集中させてくれた方がうれしい。「リアルタイムでこんなことができるようになったんだぜ」と技術を見せつけたかのかな。
 そんなこんなで頑張って操作したのに、この戦闘実は負けイベントである。勘弁してほしい。(操作放置してると普通にGAMEOVERになる。結局負けるのに戦闘で負けたらだめなのも意味不明。)

エヴァンゲリオンを観たひとは皆、このシーンに既視感を覚えるだろう

 イフリートが弟であるフェニックスを殴り倒し、それをイフリート視点でみているクレイヴが半分発狂しながら叫ぶ。ダミープラグで自分の意思とは関係なく動くエヴァンゲリオンが、使徒に乗っ取られた3号機をめちゃくちゃにしはじめ、シンジがゲンドウに「父さんやめてよ!」と叫ぶシーンと酷似していた。構図だけでなく行動も同じで、今後のストーリーに期待していいのか不安になった。

 襲撃が起こった時点で悲劇的なストーリー展開は予想付いたので、体験版を終えた時点ではありきたりな展開だなあという印象。そもそも戦争が珍しくない時世であるならこのような理不尽は珍しいことではないのだから、この直後であればまだしも10年近く経ってなお人生を復讐に捧げる動機とするには無理があり、なんだか安っぽい設定だなあと思った。この後の展開で、より強い復讐の動機が加わらなければ未熟な人間の暴走劇としか感じられず、プレイヤーである私の心情がついていかないので、そうならないことを祈っています。

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