
深呼吸できるようになりますように ~「疑心暗鬼」その物語~

ここ1か月くらいの間に「疑心暗鬼」という言葉を
何度か耳にしたり目にしたりすることがありました。
しかもそれぞれ、全然違う人や場で。
もちろん意味は知っていますが、
これまであまり日常的に出会う言葉ではなかったので
なんだか印象に残りました。
そこで、改めてちゃんと調べてみると、
言葉の背景となった物語を知りました。
その物語とは、
『あるところに鉞(まさかり)を失くした男がいました。
男は、隣家の息子が盗んだのではないかと疑い、様子を見ることにしました。すると隣家の息子の顔つきも話し方も態度も鉞を盗んだ者のように見えました。そんな疑いの目で隣の子を見てみると、歩き方も、表情も、その言葉も、もう何もかもが疑わしく見えてきます。「やっぱりあいつが盗んだのではないか?」もはやそうとしか思えなくなっていきました。
ところがしばらくして、男は山を歩いていると失くした鉞を見つけ自分が置き忘れてきていたことに気づきました。
その後、隣家の息子を見ると、顔つきも話し方も態度のどれをとっても鉞を盗んだ者のようではなかった』
(『語源由来辞典』より)
というものです。
この話に対し、「これが疑心、暗鬼を生ず(暗がりにいもしない鬼をいると思いこむ)というものだ」と例えられ、後に「疑心暗鬼を生ず」が略され、一度疑い始めると、ほかのこともすべて疑わしく思えてくるという心理状態のことを「疑心暗鬼」という四字熟語の形で用いられるようになったそうです。
一度疑い始めると、ほかのこともすべて疑わしく思えてくるという心理状態、、、
こういう状態って、誰にも起こりうることですね。
時代がどんなに変わっても、昔からあることだから
4字熟語となって今もなお使われているんですね。
人間関係の根本的なところなのかもしれません。
未知の物事や人はだれしも怖いです。
引っ越しや転職、クラス替え、進学、就職、
新しい環境に入っていかなくてはならない場は子供から大人まで
人生の中に何度となく訪れますよね。
私はこどものころ、毎年クラス替えのある新学期が大嫌いでした。
わりと昔から人あたりはいい方みたいですが、
実は人見知りで大人になった今でも
新しい環境に適応するのには人の何倍も時間がかかる方です。
そんなとき、怖いと不安はセットでやってくるので、
この「疑心暗鬼」にもなりやすいですね。
でも、この物語を知っていて
具体的な様子を思い浮かべることができれば、
鉞を見つけて疑心暗鬼から抜け出した男のように、
自分や周囲の人に起こっているであろう状況を理解して
落ち着いて必要な対処ができるんじゃないかな、
と思ったので、
ここに書いてみました。

正直、人間関係って大変です。
でも、決して避けて通れないのも事実です。
一方で心強い味方を手に入れられたりするのもまた人間関係です。
少しずつ人との関わりを積み重ねていく中で、
助けられたり助けたりして感謝の気持ちや好感が生まれると
そこに信頼関係ができ、不安がなくなっていくということがあります。
そうして、そのうち「自分の居場所」ができます。

自分の役割がある場所、自分を必要としてもらえるのを感じられる場所、
自分が受け入れられていると感じられる場所、
自分が心地よくいられる場所、
そんな「自分の居場所」ができると自然と心が落ち着きます。
自分のリズムで呼吸ができるようになります。
そうなればもう怖いものなしです。
疑心暗鬼なんて無縁になってしまいそうです。
でも、人との関わりの中で傷ついたり傷つけたり、
失礼をしたりされたり、いろいろあってへこんだり、
逃げ出したくなったり逃げちゃったり、いろいろあるのが人ですね。
けれど、そこでとまらなければ、
お互い様なんだという気持ちを忘れなければ、
そのうち認めてもらえる、役割ができる、必要な存在になれる。
逃げたいとき、逃げてしまうともっと辛くなると知っていれば
そこに踏み留まれる。
何度ももっとしんどくなったことがあるからわかる。
たいていの大人はそんな経験がある。だから大人って「おとな」なんだ。
と、わかっていても、
互いに互いを理解しあえていなかったことや、
それによる思い込みや、
相手に対する少ない情報と自分の置かれた状況だけを判断材料にした推測によって、不幸で悲しい誤認が生まれてしまったりする。。。
そんな状況を我慢し続けて、本当にすぐには治らないほどに心を壊してしまう人もいる。
もともとはきっとすごくシンプルなのに、複雑に絡まってしまうと。
どうか、みなが「自分の居場所」に出逢えますように――、
そして怖い気持ちから解放され、自由で無敵になれますように!
自分のリズムで呼吸ができるようになりますように!
そんな想いを込めて。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。誰かの何かにお役に立てば幸いです。
noteで素敵な記事を見つけました。↓ ↓ ↓
疑心暗鬼のほぐし方/nakazumiさん
https://note.com/cafe_nakazumi/n/nbba86a90c764?magazine_key=m41e85c00d748

いいなと思ったら応援しよう!
