ポエムの時代、筋肉の時代
ああ、筋肉の人がいる。そろそろ急ぐ時間だよー。
朝、テレビをつけるようになって一年ほど経った。
ちゃんと見ているわけじゃないからあやふやな感覚だけど、筋肉の人が出ている時間になると、急がなきゃいけない時間だ、ということには気づいてきた。
急がなきゃいけない時間に入るなり、ちょっと気になるライトな内容になるのは、昔からそうだ。
歯磨きに立たなければいけないのに、なぜか離れ難くて困る。
でも、それだけに忘れられない。
子どもの頃、それは「朝のポエム」だった。
「ポエム」という言葉が、何かを揶揄する意図を絡められることなく、そのままの意味と美しさを纏っていた時代だ。
なにひとつ覚えている詩はないけれど、このコーナーは本当に大好きで、人生を何もまだ知らないのに、老成したような詩を、自分も真似して書いていた気がする。
時代の空気を映し出す、「急がなきゃいけない時間帯にはじまる、なぜか惹かれるコーナー」
筋肉の次は、何がくるんだろう?
自分の書く文章をきっかけに、あらゆる物や事と交換できる道具が動くのって、なんでこんなに感動するのだろう。その数字より、そのこと自体に、心が震えます。