吐露する場所を探している。
昔、詩を投稿していた。
そこは、ネットの掲示板。
自分のスレッドを立ててひたすら詩を呟いていく。
交流も、ほどほどに、
人の流れは緩やかで、
大抵見知ったスレッドが動いてる。
わたしは中学から大学生までそこで投稿していた。
現在その掲示板は、もう閉まっている。
わたしは長い間そこで暮らしていた。
詩を詩っては、飾るように
時には磔るように投稿していた。
とある人が、わたしの詩を好きだと言ってくれたのがきっかけだった気がする。
いつからかその人と、詩を送り合うようになった。
送り合うと言っても、その人のスレッドに直接書き込むのではなく、自分のスレッドに、その人宛を匂わせながら投稿するのだ。
その人を連想させる言葉を散りばめて、その人が詩った詩のフレーズを引用したり、あるいは名前を。
直接言葉は交わさない。
お互いの板に書き込みも少なかった。
まるで秘密の暗号のように、送り合っていた。
この答え合わせはしていないのだから、
ほんとうは勘違いかもしれない。
それでもわたしたちは、
あの小さなコミュニティでお互いを探していたと思う。
もう掲示板はない。
彼女の詩を見ることは出来ない。
ネットの海で手を離してしまった。
だけどわたしは待ち望んでいる。
ハロー、衛星、と声をかけてもらえる日を。