雨垂日記⑯~いずれ何かの役に立つ?~

こんばんは。ゴクツブシです。
昨日、経団連が「コンテンツ省」の設置を要請した、なんてニュースがありましたので、本日はこちらに関する考えをダラダラ書いていきます。


Day16 『コンテンツ』業界は幅広い……はず

先日のTGCAに関する日記で、日本のコンテンツ産業の輸出額が鉄鋼業に迫る5兆円規模となっている、と書きました。
本日の経団連の提言では、これを2033年までに15兆~20兆円規模にすることを目標としています。
コンテンツ産業のグローバル市場規模は2.3兆ドル(270兆円)であり、そして同じく2022年の自動車輸出額は17.3兆円で、グローバル市場規模が約2.5兆ドル(約300兆円)です。

また、どちらの産業でも日本の市場規模は約6%程度です。
以上のデータを鑑み、日本が2033年に15兆円規模の輸出額をコンテンツ産業であげることは十分可能であると言えます。

ですが、現在でも日本のコンテンツ産業は5兆円規模の輸出額があります。グローバル市場規模が直近4年と同じペースで成長した場合10年後には4.5倍程度になるのであれば、シェアを落とさなければ特に問題なく20兆円まで達成できます(かなり甘く見積もってますが)。
であるならば、やるべきは変に横槍を入れず国内での産業従事者を増やすべく労働環境を改善すること、でしょう。
実際提言でもこの問題を指摘しています。

とはいえ、そのための施策が『コンテンツ省(庁)』の設置だと私は思えません。
それは経産省と厚労省で十分のはずです。というか、そもそも労働者全体の改善が必要な世相でしょう……。

ではなぜ、わざわざ『コンテンツ省(庁)』の設置を求めるのでしょうか。
それのヒントは日経新聞の記事にある、と私は見ています。
日経新聞ではこのニュースにおいて、

経団連は10日、漫画やアニメ、映画、音楽などのコンテンツ産業の育成に向けた政策提言を発表した。

日本経済新聞

と報じています。
ですが、コンテンツ産業の輸出額の内訳をみると1位がゲームの59%(約2.7兆円)で2位がアニメの31%(約1.5兆円)です。
出版関係が3位ですが全体の7%(約0.3兆円)、映画に至っては3%(約0.1兆円)です。
この状況で『ゲーム』を文章から省くのはかなりの作為を感じます。
実際、産経新聞では、

経団連は10日、アニメやゲームといったコンテンツ産業の海外展開などに政府の一層の支援を求める提言を発表した。

産経新聞

という報じ方をしています。
その他にも時事通信やYahooなどでも『ゲーム』を記載し報じていました。

こうした報道の仕方の違い(特にゲームを記述から省いたのは日経新聞ぐらいでした)から、私は映画・映像業界を強く視野に入れているのではないかと感じました。
なにせ、日経新聞の記事では使用されている写真がエミー賞の「SHOGUN」ですからね。
そして記事の最後にちょろっと書いてある『コンテンツ産業官民協議会』、参加者を見るとほとんどが映画関係者です。ゲーム業界からは1人しか参加していません。
この状況で国がゲーム業界を推しているとは、私には到底思えなかったです。

やる意義がない、とは言いませんが提言で言っている2000億円程度では制作力の強化、海外展開の拡大などは大きな成果は得られないでしょう。
なぜなら、『コンテンツ産業官民協議会』でアニメ業界・ゲーム業界ともに人材不足を訴えていたからです。
人材の育成は一朝一夕には上手くいきませんから、10年で成長したいならもっと本腰を入れる必要があると私は思いますよ。


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