2024.7.8 海
とっても暑い。
外気温はぼくの体温と同じかそれ以上ある。
家に居るときは快適だ。
窓を完全に締め切って、
クーラーをつける。
あの「ピピッ」という音が安心させてくれる。
今までモワッとした部屋が、
しばらくすると冷気とかわりばんこする。
いったいあの熱気はどこへ消えたのか。
もしかすると
エアコンが吸い込んでるのかもしれない。
二酸化炭素を吸い込んで、酸素を出してくれる現代版の木の役割を果たしてくれている。
朝になると、
空気の入れ替えをする。
ほんと
朝からうっとうしくなる暑さである。
家の前を通る小学生たちは、
元気な声とともに朝を連れてくる。
暑さを忘れるほど楽しいのか、または暑さの正体なのかもしれない。
身支度をして、外に出る。
それまで壁で閉じ込められていた熱気がいっきに体全身を包み込む。
家中のエアコンが吸い込んだ熱気はそのまま外に吐き出される。
涼しかった部屋から涼しい場所へと転々とする。
できるだけ日陰に逃げこむ。
信号を待っているあいだ、
「プール」や「海」が恋しくなる。
熱気を閉じ込める服を脱ぎさって、
ヒンヤリした水にぐっしょり汗をかいた体を投下させる。
水の冷たさと体の熱さがぶつかり合い蒸気を上げる。
流しそうめんのように力なく流されていく。
気化してた意識が固体になった体に戻ってくる。
それから水と一体化して液体になる。
少し体を動かしたらお腹が空く。
「プール」といったら焼きそば、フランクフルト、ラーメン♪♪
冷がったカラダを美味しい食べもので心地よくする。
今まで命綱であった浮き輪は、陸に上がれば快眠を促すマクラと化す。
眠りから覚めると信号機は、進行可能を表す「青(緑)」を映し出す。
信号が変わらないうちに向こう岸まで渡りきる。
電車に乗ってひとがひしめき合う場所へ繰り出す。
ぼくは働いてないのでカフェでのんびりとする。
そこから太陽や熱さとは無縁の時間を過ごす。
完全に溶けきったカラダが、
店のクーラーによってキンキンになる。
ドロドロに溶けた形を残したまま、店の新しいオブジェの一つとなる。
今度は、
寒くて動けなくなる。
動物は寒さにも弱い。
筋肉が硬直し、動くのがダルくなる。
「もう面倒だから眠ってしまおうか。」
キャー!起きて!死ぬなー!
固まって動かなくなる前に店を飛び出す。
それから外の暑さと、店の寒さを交互に繰り返す。
夏のはじまりが感じられる。
しばらくすれば、
セミが輪唱を始める。
それからはかき氷に、BBQに、花火に、お祭りに、
だるくならないようにイベントが満載である。
人生が夏休みであるぼくは、一足先に海に出る。サーフィンを始めたからだ。
サーフィンといってもみんなが想像するものではない、
ぷかぷか浮いて、波が立ったら、転覆する、沖に出るために必死に漕ぐ
波に乗れる日は訪れるのか?
それでもとにかく楽しい。
海のなかは心地がいい
最初はヒンヤリと冷たい。
入って、波と格闘してるうちに、温まってくる。
心地よさとは環境の悪さを忘れさせてくれる。
いつも3~4時間でヘトヘトになって切り上げる。
からだ中にこびり付いた砂を落として、帰る支度を進める。
サーフィン後の暑さは心地よい
冷めたからだを温める。
ボーッとしていると眠くなってウトウトする。
ウエットスーツからはみ出た場所や、顔が日焼けしてヒリヒリとし始める。
それよりも
動いたからお腹が空いていることに気がつく
近くで取れたシラスの丼にがっつく
ひとは水が合うのかもしれない
海で生まれて海に還る。
少なくとも夏は絶対にそうだ。
夏は暑すぎる。
店は寒い。
海がいい。
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