ネオ・ディグ・モード vol.26 「シネイド オドワイヤー(SINÉAD O'DWYER)」
東京を拠点にフリーランスで海外ブランドのPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、気になる海外ブランドを深堀りする新連載!
私が2023年元日からvol.110まで公開した「ディグ・モード」のリニューアル版です。
vol.26は、シネイド オドワイヤー(SINÉAD O'DWYER)!
真にインクルーシブを追求し続けているブランド、シネイド オドワイヤー。
2025年春夏のコペンハーゲン・ファッション・ウィークでは、視覚に障がいがあるモデルをキャスティング。盲導犬と一緒にランウェイを歩く姿が話題になりました。
シネイド オドワイヤーってどんなブランド?
シネイド オドワイヤーは、アイルランド出身のシネイド・オドワイヤー(SINÉAD O'DWYER)が設立したブランド。
2020年春夏コレクションでデビューし、ロンドンを拠点としていますが、2025年春夏コレクションは初めてコペンハーゲンでショーを開催しました。
この記事では、インクルーシブなアプローチに着目しながら、服づくりやキャスティングのストーリーを深掘りしていきます。
幅広いサイズに対応する型紙作りが大事
オドワイヤーにとって重要なのは、体そのものからインスピレーションを得ることです。
彼女は、体を単なる服のハンガーとして扱うのではなく、体と服が補完し合う関係であるべきだと考えています。
大きな胸や体型に合わせた服は、極端な砂時計型、もしくは体型を隠すテント型になりがちです。
オドワイヤーが重点を置いているのは、型紙作り。
胸やお尻、太ももを隠すのではなく、それらに合わせて服の型紙を工夫しています。
プロポーションの変化に合わせて、単純にサイズを拡大・縮小するのではなく、さまざまなサイズに対応させることが大切です。
また、オドワイヤーのサンプルサイズは、スタンダードなサイズとは異なっています。
サンプルを作るとき、UKサイズ6〜10で作るデザイナーがほとんど。
ですが、オドワイヤーの基準はUKサイズ20。UKサイズ12と26でもサンプルを作ったこともあります。
視覚障がいがある人もアクセスしやすく
多様なサイズだけでなく、アクセシビリティにも配慮しているシネイド オドワイヤー。
そのアプローチのひとつは、「視覚障がいがある人もアクセスしやすいランウェイ」です。
オドワイヤーは、視覚障がいの人たちを支援する財団と協力しています。
2025年春夏コレクションでは、そのパートナーシップを継続するだけでなく、さらに改善したいと考えました。
そして、音声による説明や生地サンプルに触れる方法で、ショーをよりアクセスしやすいものに。
また、ランウェイでは視覚障がいのあるインフルエンサー、ルーシー・エドワーズ(Lucy Edwards)が盲導犬と一緒に登場しました。
オドワイヤーは、形式的ではなく、真摯にインクルーシブに取り組んでいます。
気になったらチェックしてみて!