ネオ・ディグ・モード vol.8 「フィレオ(PHILEO)」
東京を拠点にフリーランスで海外ブランドのPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、気になる海外ブランドを深堀りする新連載!
私が2023年元日からvol.110まで公開した「ディグ・モード」のリニューアル版です。
vol.8は、フィレオ(PHILEO)!
私がフィレオに興味を持ったのは、コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS、以下CDG)とコラボしたシューズがきっかけ。
ポップなカラーと、ぽてっとしたチャンキーなフォルムに惹かれました。
フィレオってどんなブランド?
フィレオは、シューズデザイナーのフィレオ・ランドウスキ(Philéo Landowski)が2019年に立ち上げた、パリ拠点のブランドです。
2024年9月時点で、アイテムは14か国、40近くの店舗で取り扱われています。ドーバー ストリート マーケット(DOVER STREET MARKET、以下DSM)では、パリ以外にロンドン、銀座、ニューヨーク、ロサンゼルスでも販売。
この記事では、CDGとのコラボにスポットを当てて、そのプロセスを深掘りしていきます。
忘れられない川久保玲との初対面
フィレオは、DSMと独占契約を結んでいて、DSMがシューズのライセンスを所有しています。
フィレオと彼のチームは、「生産、開発、コミュニケーション」に集中。残りはDSMに任せています。
フィレオとCDGのパートナーシップは、川久保玲がDSMのショールームを訪れた時に始まりました。
フィレオにとってCDGは、彼の美的感覚に影響を与えたブランドのひとつ。川久保がショールームでシューズを見ているとき、彼はとても緊張していました。
川久保にラインシートを求められたとき、とっさに渡したのはiPad。実は、彼女はiPadを「扱わない」ので、紙のラインシートが必要でした。
その場にいたCDGのCEOエイドリアン・ジョフィに、「何をしているんだ?」と言わんばかりの表情を向けられたフィレオ。
その瞬間、彼は「人生最大のチャンスを失った」と感じました。
印刷されたラインシートが川久保のもとに渡り、翌日、CDGから連絡が入りました。独占販売は可能か、スケジュールや数量などについて確認する連絡でした。
これが、彼らの継続的なコラボレーションの始まりです。
クレイジーで大掛かりなことをしたい!
2024年秋冬のコラボレーションでは、フィレオは「クレイジーで大規模なことをしたい」と思いました。考えついたのが、「DERBY MELTED」というコンセプトです。
川久保玲にそのコンセプトを提案したとき、すぐにイエスの返事がありました。
完成したモデルの特徴は、溶岩を思わせる誇張されたラバーソール。CDGのアバンギャルドな思想を反映したデザインです。
コラボは特に楽しんでいるプロセス
フィレオは、ロク(ROKH)やルイ ガブリエル ヌイッチ(LGN LOUIS GABRIEL NOUCHI)などのファッションブランドともコラボレーションしています。
コラボレーションは、フィレオが特に楽しんでいるプロセス。
周りの他のクリエイターと一緒に仕事をして、影響を受けることを大切にしています。
それが製品に深みを与えると信じているからです。
気になった人はチェックしてみて!