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ネオ・ディグ・モード vol.13 「ポンダラー(PONDER.ER)」

東京を拠点にフリーランスで海外ブランドのPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、気になる海外ブランドを深堀りする新連載!

私が2023年元日からvol.110まで公開した「ディグ・モード」のリニューアル版です。

vol.13は、ポンダラー(PONDER.ER)

vol.12で取り上げたスタンディング グラウンドと同様、ポンダラーもLVMHプライズをきっかけに興味を持ちました。

ポンダラーってどんなブランド?

ポンダラーは、2019年にアレックス・ポー(Alex Po)とデレク・チェン(Derek Cheng)のデザイナーデュオが立ち上げた、香港拠点のブランド。

この記事では、ブランドのビジョンやインスピレーション源に着目。

ふたりのバックグラウンドや、出会いからブランド設立までのストーリーを中心に深掘りしていきます。


もっとソフトなメンズウェアが必要

SS23 (Photo from the official website)

アレックスとデレクが出会った場所は、学校です。ふたりともセントラル・セント・マーチンズに通っていました。

共通の友達を通じて知り合い、たくさんの共通点を発見。そこから、お互いに正直にフィードバックをし合うようになり、協力する関係に。

最終学年のコレクションを個別に制作していたときも、一緒に作業をして楽しい時間を過ごしました。

コレクション自体はまったく異なっていましたが、ふたりが好きなのはテキスタイルと、メンズウェアの可能性の限界を押し広げること。

卒業後、デレクは香港に戻り、アレックスはロイヤル・カレッジ・オブ・アートでメンズ ニットウェアのスキルをさらに磨きました。

2017年ごろ、彼らは上海ファッション・ウィークに行きました。そこにメンズウェアがあまりなく、ふたりはがっかり。

参加ブランドが、ジェンダーについて触れていない点も気になりました。そこで、もっとソフトなメンズウェアの必要性を感じました。

ジェンダーレスファッションには、まだ余地があり、何か違うものを作ることができる。それが、ポンダラーの始まりです。

あらゆるタイプの男の子に適したウェア

SS24 (Image from the official website)

あらゆるタイプの男の子に適したメンズウェアブランドを作りたい。それがポンダラーの出発点です。

そこには、アレックスとデレクが幼いころ、男らしさのステレオタイプに傷ついた経験が影響しています。

伝統的な社会基準に照らし合わせると、ふたりはあまり男らしい男の子ではありませんでした。

彼らの家族は、かなり保守的。「男性は男らしくあるべきだ」と教えられました。

デレクはかなり小さい頃、男らしくなるために、母の勧めでカンフーのレッスンを受けるように。学校では先生から「優しすぎる」などと言われることもありました。

アレックスも10歳くらいのとき、学校の先生が「これからはもう少し男らしくあることを学んだ方がいい」と母に言ったことに、傷ついた経験があります。

  • アジアでもヨーロッパでも、男性は特定のやり方を強いられている

  • 性別に特有の問題について、一般的にあまり話されていない

そこがベースとなって、彼らのコンセプトは毎シーズン、男らしさのステレオタイプに焦点を当てています。

ジェンダーをアジアの視点から語る

AW24 (Photo from the official website)

ポンダラーは、男性的なスーツや仕立ての細かい服を着るというカテゴリーには当てはまりません。

ふたりの好みは、とても柔らかくて、エレガントなもの。とてもニュートラルです。

「ファッションはジェンダーによって制限されるべきではない」。これが彼らの考えです。

ただし、下着は例外。下着は機能があり、個人の体に合う必要があるため、ジェンダー化されるべきだと彼らは考えています。

また、性別を区別するシステムは、想像よりも大きな影響を与えることがあると彼らは感じています。

たとえば、トイレの標識。ドレスを着た赤い女性とズボンをはいた青い男性です。小さなころから、そのようなイメージや色を目にします。

ふたりはポンダラーで、ジェンダーの物語をアジアの視点から伝えようとしています。

気になった人はチェックしてみて!

text  𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨
all imagery courtesy of PONDER.ER

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