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「JUROR#2」「陪審員2番」映画レビュー

🔸「JUROR#2」「陪審員2番」
🔸 2024年10月アメリカ
🔸  U-NEXT

クリント・イーストウッド最後の作品になるかも?
★★★★☆

💫あらすじ
 ジャスティンはもうすぐ出産を控えた妻と幸せに暮らしていたある日、陪審員候補として裁判所に召喚されることになる。事件は元麻薬組織のメンバーだった男が痴話喧嘩からガールフレンドを殺害したとして逮捕されたケースだった。状況証拠からは犯人は男しか考えられず、ジャスティンはじめ陪審員に選任された人々は簡単に判決もきまるだろうとたかを括っていた。
ところが裁判が進むにつれてジャスティンの記憶の断片が少しづつ思い出されて彼の胸騒ぎと共に顔色がどんどんと青ざめていくのだった・・・・・

「十二人の怒れる男(12Angry Men)」に代表される陪審員裁判の評決をめぐる人間ドラマ。最初はイーストウッドもこんなありきたりな題材を映画にするんだ・・・といった感じで見出したが、主人公のフラッシュバックで彼の過去が少しづつ紐解かれて事件との関連性が見えるようになってからは視点が全く変わってしまいハラハラが止まらない状況に。

※※※ここからちょっとだけネタバレ※※※

青い瞳と眉毛が印象的なニコラスホルト

普通に陪審員ものだと、各自の生き様や思考などで犯人に偏見を持ったり、対立したり、時間の経過と共に変化する人間模様が見もの。そこに今回は主人公が「もしかしら自分犯人なのかも?」という立場に立たされてしまう、という絶妙な設定。
彼自身の「正義」と彼の守りたいものとの葛藤で発言や態度が揺れに揺れてしまう姿は見ていて苦しくなってくると同時に「自分」に照し合わせて「いつバレるのか」という恐怖感を見る側に与えてくるのだ。
そしてこの事件の結果次第で昇進がかかった女性検事を対比して、彼女も正義と自分のキャリアとのはざまで揺れ動く。ここはちょっとありきたりかと思ったりもしたが、純粋に真実を知りたいという心から事件を解明したい、その上で進まずにはいられなかった行動なのかもしれない。というかそうであって欲しいという監督の願いなだと思う。

結局判決は犯人の有罪で落ち着き検事は昇進、主人公には無事子供も産まれ幸せに暮らしていく。穏やかな日々が戻ってそれぞれの居場所に戻る。ゆっくりたっぷりと日常のシーンがすぎて あれ?これでおしまいなの?と思いきや!

いやそうきたか・・・と思わず唸ったラストシーン!
いわゆる観客に答えを預けるパターンなのだがその手法が見事。あっと思わせて心に残る、そんなラストでした。お見事!
これは映画館でみてじっくりとエンドロールを噛み締めたいそんな作品でした。

この映画は日本では配給されず見れるのはU -NEXTのみという非常に勿体無いことになっております。
U-NEXT加入の方だけでも是非とも見ていただきたいですね!

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