見出し画像

映画館偏愛日記。

こんにちは。
フリーランスでイラストやデザインの仕事をしているnenneです。
趣味は何ですか?と聞かれると悩むタイプです。
即答できる人に憧れるタイプです。
という自己紹介としては不思議な書き出しで、今回は趣味の話。

趣味は広く浅く、比較的何にでも興味を持てますが一途に愛し深掘りできるものがあまりないのが小さな悩みです。
根がミーハーな人間なので、みんなが好きなものを同じくらい好きになるタイプ。
それはそれで楽しいのですが、これに関しては任せて、と言えるものがある人はかっこいいよなという漠然とした憧れ。

そんなわたしですが、自分のテンションがぐっとあがる趣味は、一人映画へ行くこと。
とはいえこれも年に数回程度で、子供が産まれてからは特に回数が減ってしまっています。
社会人になりたての時は、やっと自由に使えるお金が手に入るぞ!映画館いっぱい通うぞ!と意気揚々として、ミニシアターの会員になり休みのたびにぶらりと映画館に立ち寄っては、今日は何を観ようかなとわくわくしていたのです。
基本的に好んで観るのは邦画が多くジャンルは偏っているのですが、この時期はお金と時間に余裕があって普段選ばないものも見たりしていて。
この時に見て今でも見返す映画は「チョコレートドーナツ」と「はじまりのうた」。言わずもがな名作。
「はじまりのうた」は音楽が最高なので、作業しながら流し聞きしたりもします。
この二本を映画館で見れたのはとても幸運だったなと思います。
(▼予告置いとくので、note読み終わったらぽちっとどうぞ◎)
https://www.youtube.com/watch?v=yOr4LeEWOLo

話が少し逸れましたが、特別映画に詳しいわけでもなく、好きなジャンルの、好きな俳優さんが出てて、好きな映画監督が撮ってる映画を、一人で自由に映画館で見るのが好きなのです。

最近たまたま観たい映画が重なってて、今年に入ってからは4回映画館に足を運びました。子どもが生まれてからはなかなか多い頻度です。
その時にとても良い一本に出会いまして。あー、映画館で観てよかった。この作品は映画館で観なきゃだめだった。時間を作って足を運んでよかったと、心から思って。
それから、映画館に行く、ということに改めて思いを馳せて、今回このnoteを書こうと思い至ったのです。



映画って当たり前ですけど、映画館で観るために作られてるんですよね。音も、映像も。
画面の震え、息遣い、呼吸、特に小さい音や映像などの、家庭用の一般的なテレビ機器では感じ取ることが難しいものにこそ、映画館の醍醐味を感じてしまいます。
サブスクでたくさんの作品を気軽に家でみることができますが、映画館は"没入する"。目の前の映画一本、最適な環境で、今この瞬間に没入できる。そういう魅力の、虜になります。

映画館では没入したい。日常から少し離れた非日常空間にすぐに飛んでいける。違う時間、違う場所、違う価値観、自分とは違う意識に飛べる。
それは、あの限られた空間の中で、始まったらノンストップの、大画面と音響で満たされる、あの時間だから与えられる非日常。と思っています。

映画館に入った時のポップコーンの香ばしいキャラメルの匂いが好き。
足を踏み入れた瞬間の、ふかっとしたカーペットのフロアが好き。
少し暗くなった照明が好き。
上映前の予告映像も好き。
始まる前の僅かな緊張感が好きだ。
どれも非日常への導入。新しい体験ができるわくわくに浮き足立つ瞬間。

敢えてニッチなところを一つ挙げるとすると、自由にトイレに行けない感じも良い、と個人的には思っています。
おそらく共感は得られにくいと理解した上で、個人的な気持ちとして。
映画は一度始まったら自分の意思で止められない。その一本の映画にのみ向き合わないといけない環境。
なのでマイルールとして、直前にカフェインを取らない、上映前は2回トイレに行く、上映中は水分は最低限、としています。途中で邪魔されないように。生理現象ですら、可能な限りコントロールする。
全ては没入するために。まさに映画館の奴隷。
映画一本に体も意識も全振りできるのが、贅沢で楽しいと思ってしまうのです。
まあ、でもこれはあくまで個人的には、、です。
(あまりわざわざ補足したくはないのですが、そういう生理現象をコントロールするのが難しいという方がいることは重々承知の上で、それぞれに合うそれぞれの楽しみ方をするのが最善です。上記はあくまで個人的な楽しみ方)

あともう一つニッチなこと言ってもいいですか。
上映が終わった後、見知らぬ人たちと同じ空間の中で、明るくなった館内で、はぁ、と息吐く瞬間も好きです。
なんだろう。同志、というか。よかったよねぇ、と心の中で共感するんです。まあ当然実際には声かけないんですけど。
でもそんな感覚と時間を共有しておいて、映画館を出るとざっとバラバラに散っていくんです。なんかちょっと面白く無いですか?わたしだけかな。

そういえば、先に書いたミニシアターが1,2年ほど前に閉館したんです。とても残念な気持ちです。
映画館離れ、というやつでしょうか。サブスク便利ですもんね。我が家もAmazonプライムとNetflixの契約をしてるので、大概サブスク沼にどっぷりなのですが。
でも映画館って違うんだよなぁ、とここまで書いて改めて思います。
2000円以内で味わえるお手軽で身近な娯楽なのに、心と体にこんなに贅沢なんて。
デトックス。映画館を出るといつも思います。非日常空間から意識が戻ってきて、日常の悩みとか普段考えてることがかちっと切り替わる感覚。
気持ちの切り替えが難しい時は大概映画館に行くことで解決される気がします。映画館デトックス、おすすめです。



さて、わたしの映画館偏愛日記を綴らせていただきました。
偏愛と書いたもののまだまだ浅い。もっと拗らせたい。拗らせられるジャンルな気がしてます。映画館。
一人映画歴十数年。老後まで楽しめる趣味だと思っているので、これからおばあちゃんになるまでより拗らせて、より深くハマりたい。どっぷりハマりたい映画館沼。
この底なし沼の入り口に、少しでも足を止めてもらえたら。誰か一人でも、ずぶっと泥濘に足を取られてもらえたら、とこっそり願う様な気持ちでいるわたしです。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集