【俺は人間に聞いてみたい。】1

俺とネネについて

　なぁ、ネネ。
　俺な、ネネと暮らし始めてしばらく経つやん？

「そうやね」

　俺な、ネネに聞きたいことがあるねん。

「何？」

　ネネはな、人間っていうやつなんやろ？

「うん」

　そしたら、俺はなんなん？

「君はネズミやなぁ」

　ネズミと人間は違うもんなん？

「そやなぁ。違うもんやなぁ」

　何が違うん？

「なにて。ひと言では難しいなぁ」

　そしたらな、俺とネネは違うもんなん？

「違うもんやろなぁ」

　俺は人間になれる？

「難しいなぁ」

　ネネはネズミになれる？

「それも難しいなぁ」

　じゃあ、俺はネズミやけどネネは俺のこと好き？

「好きやで」

　そうか、ネネは人間やけど、俺もネネのことだいぶ好きやで。

「ありがとね」

　俺とネネはずっと一緒におれる？

「ずっと一緒にいられるようにしていこうか」

　どういうこと？

「例えば、喧嘩しないようにするとか。健康に気をつけるとか」

　難しそうやな。

「まあね」

　でも、俺がんばるわ。
だからネネもがんばってな？

「うん」

　ネネ、お願いあるんやけど。

「ん？」

　カイカイしてほしいねん。首の後ろらへん。

「おっけ」

　俺のカイカイ終わったら、ネネのことカイカイしたげるな？

「ありがと」

質問しがちなネズミとのひととき