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自虐
「はるこは、何でそんなに自虐するの?」
数日前に別れた元カレから言われたセリフが、ずっと心に刺さっている。
自信のない自分、努力できない自分、そんな自分をいつも責めている。
正確に言えば、昔の頃の他人から責められた記憶が、頭の中でリピート再生して、ずっと自分を叱り続けている。
「役立たずはいらない」とか
「本当何も考えていないよね」とか
「ブスはブスなりに生きた方がいいよ」とか
もれなく人の悪口を吸収してしまうのであった。
自分がいくらどれだけ、全力で物事にあたろうとも、誰かしらは突っかかってきて、なんで言い訳をするんだと、叱ってくる。
いっときは元カレが、
「2・8・2の法則だから、2割に嫌われるのは仕方ないよ」と慰めてくれていたが、とうとう私の煮え切らなさと、精神のすり減らし方に呆れて、別れを告げられてしまった。
2年くらいの付き合いだから、長くも短くもないが、大学3年の就活の時期に別れるというのは、なかなかダメージのくるものだった。
大企業とまではいかないが、5人に3人くらいは名前の知っている企業に内定をちらほら貰えている私は、そこまで悪い方ではないのだと思う。
しかし、脳内の自分がずっと責めてくるのだった。
「もっと大企業にチャレンジしないなんて、臆病者だ」「自分のできる範囲で収まって努力いない意気地なし」「居心地がいいからもう内定を決めちゃおうか、なんて考えなしだね」
いつも一番自分を信じていないのは自分だ。
「せっかくフラれちゃったし、もう少し就活続けてみるか」
特に恋人がいないというステータスになる以外、この地球になんの変化も及ぼさないが、もう同じ理由で、フラれまいと決心したはるこだった。
おしまい