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「無意識ー空の章ー」#4 コーヒーの味

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大地が「フレンドシップ」をやめることになった。

夏休みが終わる直前に本人から電話が来て、その衝撃事実を知らされた。
いや、どこかで予想はしていたような気もする。大地のような現実主義者があの安い時給でいつまでも続けるとは思えなかったから。

「なんでやめるの?」
「時給安いから」

ほらね。
(ダテに10年も友達やってないわ)
(でももう友達じゃないんだっけ?)


「もったいないんじゃないの。せっかく楽しそうだったのに」
「まあ、でも楽しいだけじゃ」
だけじゃダメですか。大地にとっては。


「ところで空、今『もったいない』って言ったっけ」
「言ったっけ?」
「忘れるの早すぎ。言ったでしょ、『楽しそうだったのにもったいない』って」
「あー」
「そしたらさ、空君、僕の後を継いでフレンドシップでバイトする気ない?」

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