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わたししか知らないこと

目が覚めて、ブラインドを開け、
あぁ、今日はよく晴れている。

顔を洗うため、洗面台へ向かうと
鏡に映った自分の目は赤く腫れていた。

最近、起きたらボロボロと涙が流れている時がある。
夢の中だけは泣いたっていいよね。

わたししか知らないこと。


わたしの中だけ
今日も土砂降りのようだ。


あれから彼の顔が一度も浮かばなかった日なんて
一日もないなんてことが、笑ってしまうよね。

きっと、彼も思ってもないだろうなぁ。
わたししか知らないこと。


「あなたが居なくても生きていける」
そう思ってなきゃ無理だからそう言ったけど

「あなたがいないと生きていけない」
そう素直にあなたに言える女ならよかったのかな。

凛としたかっこいい女性に憧れているけど、
ぐちゃぐちゃだよ。本当の姿なんて。

誰も知らないだろうけど、
わたし彼とまだまだ一緒に居たかったよ。
おじいちゃんになる彼を見たかったよ。
その隣にいるのは、わたしがよかったよ。

わたししか知らないこと。



だけどね、
きっとわたしが愛しんで恋しんでいるのは
「過去のあなた」であって
「今のあなた」では、ないこと。

「幸せにしたかった二人」であって
「今のわたしたち」では、ないこと。


それが分かっているから、
まだわたしは、前を向ける。




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