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私は学生時代のいざこざから人が好きだけれど、嫌いだった。 まるっきり1人になることは寂しいけれど大人数で集まることはストレス以外の何者でもなくて、極力下を向いてやり過ごしてきた。 でも、大人になって分かったことは同じような思いをする人がいるということだった。 いつも私だけが人と関わるスキルが劣っているからダメなんだと思い込んでいたけれど。 そのことに気がつくと、同じような空気感の仲間に出会えるようになってきた。 それまでも出会ってきていたかもしれないけれど、深く関わっ
15歳で地元の岐阜を出て東京に住み始めて約12年が経った。 私は東京が好きだ。 Instagramで見るようなおしゃれなお店には簡単に行けて、ネット通販をすれば1日で届いて、少し郊外に行けば自然もあるし、欲しいと思ったものは大体手に入る。 そんな生活に慣れてくると、便利さや早さに気を取られて色んなことを忘れていく。 そもそも欲しいものがすぐに手に入る豊かさ、それを作ってくれる人がいる豊かさ、届けてくれる人がいる豊かさ…。 色んなことが当たり前になっていた。 それに気がつ
ザクザクと小気味いい音をリズミカルに立てながら切られていく髪の毛はばさっと床に落ちて行く。 昨日、髪を切った。 多分15㎝くらいは切った。