朝早く起きたい
朝早く起きたい。
朝早く起きて、カーテンを開けて陽の光を部屋に入れる。冷たい外の空気を感じながらホットミルクを飲む。朝ごはんを作り、妻と子が起きるのを待つ。
ただ私が早く起きてしまうと一緒に寝ている妻も子も起こしてしまうのではないかと不安になる。早起きするのは私だけでいいのだ。妻と子は春の日差しのような暖かい布団の気持ちよさに身を任せていればいい。あの幸せな時間を私が起きることによって、私が起きた時に生じた物音によって、奪うようなことはあってはならない。
私は動けない。
正直に言えば妻と子が起きてしまうということを言い訳にして私は起きないのだ。
つまり私は早起きをしたくないのだ。
暖かい布団にくるまって、冷たい外の空気に触れたくないのだ。早起きするぞという気持ちは眠る前までは確かにあった。それは紛れもない事実。しかしそんな気持ちは眠りと一緒に落ち去って、朝には綺麗さっぱり無くなってしまう。
結局最初に妻が起き、それにつられて子が起き、しぶしぶ私も起きた。
明日こそは早起きするぞという気持ちを胸に秘めて。
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