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お腹の中の娘が口唇裂と告げられた日。

先日3人目の妊婦検診に行ったら、『赤ちゃん、口唇裂があるねー』と先生に言われた。

わたしはあまりにも予想外の言葉にとまどった。けれど、気づいたら『そうなんですねー。あーほんとですね。切れ目が見えますね。』と平静を装って返事をしていた。わたしの中に2人のわたしが存在している感覚。不思議な感覚だった。

わたしは持病があるので、もともと出産は大学病院でする予定だった。今22週。赤ちゃんの事もあるので早急に転院の手続きをお願いした。

先生はネットの画像を見せてくれて、口唇裂と言っても今は手術で分からないくらいまで治るから大丈夫と言ってくれた。

転院手続きを待っている間、ネットで検索してみた。現実味が無かった。ふわふわしていた。お会計も車に乗ったのもほとんど覚えていない。

車に乗って運転しているときにスーッと涙がこぼれた。お腹の中の娘に申し訳ないから絶対泣かないと決めていたのに。

自分を責めるというよりは、これから先の不安の方が大きい。もしかしたら他の合併症も持って産まれてくるかもしれないし、そうじゃなくても何年にも渡る治療が約束されている。

上の子2人の生活を守りながらどうしたらいいのか。今考えても答えが出ないことばかりに気持ちがいってしまう。

さすがにその日は眠れなかった。次の日会社に行ったら目が腫れていた。同僚に何かあったか聞かれたけれど何も答えられなかった。昔から悩み事を人に話すのは苦手だ。そんな自分のことはあまり好きじゃないのに、相変わらず変わらない弱さにも腹が立った。

仕事中もモヤモヤ、グルグル色んなことを考えていた。帰りの車でふと思った。

これから先のことは分からない。

けれど、今できることは必ずある。わたしの使命は娘をまず無事に出産すること。だからクヨクヨしてられない。

不安な気持ちの先にあるのは恐怖。まず口唇裂について知ることから始めようと思い、Amazonで口唇裂関係の本を2冊注文した。

あと、4ヶ月で産まれてくるであろう命のために今できることをしなきゃ。そして今しかない時間を楽しもう。もっと前向きに。

わたしは決して強くはない。今だって少しつつかれたら崩れ落ちそうなとこで立っている。けど、いつまでも落ち込んでいられない。

大切な大切な家族のために、そして自分のために。






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