君とのこれから先を、はんぶんこ。

本編はこちら。


裏設定は以下になります。

 あなたの弟という存在にも近い、歳があまり変わらない弟子である彼は、とある修練中に魔物に襲われます。魔法を試し打ちするには良い場所での修練だったはずですが、到底彼には倒せないような魔物が出現しました。
 魔物の爪の一振りは彼の腹部を貫き、あなたが駆け付けた時にはもう、虫の息でした。手から命が零れ落ちるような感覚がし、必死に考えて思いついたのは、禁忌とも呼べる魔法。それが、自分の残りの寿命を任意の期間・任意の相手に、全ての魔力と共に移すという魔法でした。
 その魔法は成功したものの、あなたはみるみる衰弱していきます。そんなあなたを見て、彼は決心しました。
 あなたが使った魔法を、彼は自分が思い描く通り…自分の魔力の半分と、残りの寿命の半分を任意の相手に渡す魔法に作り替え、少しの時間でもあなたと共に過ごしたいと、新たな魔法を創り出します。しかし、彼はその魔法を使うことをためらっていました。彼はあなたの事が好きだけれど、あなたがどうかわからない。きっとどんな魔法なのかは、魔法を扱うことに長けているあなたに悟られてしまうから、悲しい思いをさせてしまうかもしれない。でも助けたい、どうしたらいい…と、ずっと悩んでいたのです。
 しかし今回あなたに告白をし、その答えを聞いた時に、使うことを決心しました。彼の編み出した魔法は成功し、2人とも生きるはずだった寿命とは程遠いけれど、幸せな時間を共に歩むことが出来るようになりました。

 これからこの2人はきっと、短い人生かもしれないけれど、その分思い出の詰まった人生を歩むことになるでしょう。
 それは誰よりも切なくて、眩しいけれど、2人にとっては1番の幸せの時の導を。 

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