無能な魔法使いは、多分優しい。

本編はこちら。

以下、裏設定になります。

魔法使いの彼は、本当に魔法が使えません。
使えたとしても、普段他の魔法使いが使えるような魔法を使った時に、持続性なく魔力が消失してしまう…という状況でした。
彼は「魔力は膨大にあるんだけどな…」と言いますが、それを扱いきれないのか、何かの力が働いているのかそれは彼には分かりません。

魔法具を扱うあなたは、それなりに魔法に詳しいと考えています。確かに彼から感じる魔力量は多く「なぜ魔法が使えないんだろう」という純粋な疑問があります。
故に、彼を雇い、彼の問題について考えようと思うのです。
単純に手が足りなくて困ってる、というのもありましたが。

彼は、ほぼ迫害を受けて村から出てきたようなものではありますが、へこたれずに他人に優しくあろうとしています。それは、この自分の魔法の使えない状況がいつしか解決した時、また家族の元でゆっくり暮らしたいと考えているからです。
だから、卑屈にならず、少し落ち込みやすいけれど努めて明るくしているのです。

彼があなたの元にいれば、彼が話してくれた大切な妹の元へ、いつか帰ることができるでしょう。
彼のしがらみは、あなたの手によって。

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