ガラの悪い神父さんは、結構優しい。
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裏設定は以下になります。
この神父は、口調も荒くれていて、煙草も吸えば、さぼりもするけれど、かなり面倒見のいい人です。確かに風貌はどこの不良か?という見た目をしていますが、外見だけで人を推し量るなど、容易にできる事ではありません。人は大人になれば、どんな見た目の人がどんな人かというある種経験則のようなものが育ち、危険を回避して警戒してしまうことが大半です。反対に子供は純粋でそんな経験則がないからこそ、相手の本質を素直に受け取ろうとします。
そして公園のベンチでぼんやりと教会を眺めていたあなたに1人の子供が近付き、こう言うのです。
「あそこにいるちょっぴり見た目の怖いお兄ちゃん、すっごく優しいんだよ!」
と、よく子供が作るような「肩たたき券」に似たような、「耳かきチケット」をにこにこと嬉しそうに手渡しながら。
彼は元々、この公園にいるような子供たちと同じような境遇で、教会に捨て置かれた過去があります。彼は運よくこの教会で暮らすことになり、本当は親から貰えるはずだった愛を、教会にいた神父やシスターから受け取ります。
きっと彼には、未だ癒えぬ孤独という傷が、心のどこかにはあるのでしょう。だから、自分が捨て置かれた後に建てられた孤児院の近くの公園で遊ぶ子供たちを見て、仕方がないなと言いつつも一緒に遊んでやるのです。
彼はこの先、育ててくれた教会への恩義と、楽しそうに遊ぶ子供たちの為に、この教会に尽くしていくでしょう。
少しだけ怖い見た目で、言葉遣いの荒い彼の心の中は、きっと数多の慈愛に満ちて。