天才剣士とお転婆姫は
本編はこちら。
裏設定は以下になります。
この剣士の彼は幼い頃、城近くの森に読書をするにはちょうど良い場所を見つけます。
いつものように森へ立ち入り、本をのんびり読んでいたところ、話しかけられます。
真っ白なワンピースを来たその子は、屈託のない笑顔で彼へと問いかけました。
彼は、平民の出にしては随分上質な布を使った衣服だと心の中で思いますが、相手の出自に全く興味が湧かなかったので、特に態度を変えることも無く、自分の好きなことをします。
それがその子…聞き手にとっては居心地が良かったのか、その日を境に遊びに来るようになりました。
会話を続けていく中で、聞き手はそっとこんな事を呟きます。
「あなたが私を守ってくれる剣士さんだったらいいのにな」と。
この時に彼は、やはり少し高貴な出の人間なのだな…と悟るのですが、この時には既に気の置けない仲だったので詮索はしませんでした。
そんな逢瀬を続けていたある日、ぱたりと聞き手は来なくなってしまいます。
その頃には淡い恋心…その時の彼にはそうだと自覚できていませんが、そんな感情を抱いていた彼にとっては、会えない事は心の中に空虚なものを感じることとなります。
彼はふと思い出します。聞き手のあなたが言っていた「剣士さん」という台詞を。…剣士を募集するところなど、限られている。
そして、そんなに時が経つ事もなく、彼はあなたの正体を知ることとなります。
それは、同時に殆ど夢もやることも決まっていなかった彼にとって、剣士を志すきっかけともなりました。
既にきっと、互いの心は。
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