シアワセなクウカン

本編はこちら。


以下、裏設定になります。

この異形の彼は、ずっとあなたを見ていました。
彼が言うように彼は人間が好きで、特別あなたのことが大好きなのです。

だからこの世界へ、あなたを呼びました。
しかし彼の住む世界は、人間はかなり貴重な存在。
あなたが他の異形に見つかってしまえば、盗られてしまうことは自明の理。
だから彼は内に秘めるあなたへの重い愛を隠し、努めて優しく接し、異形の住むこの家に慣れてもらおうとするのです。

しかし人間にとっては見慣れぬ場所、異形…恐ろしい環境に慣れることなどはなく、ただひたすら怯えます。
何も進捗のない、むしろ好かれることの無いこの状況に、重い愛はさらに重く、昏くなっていきます。
そして選ぶのです。
あなたの意識を、脳を弄り、強制的にこちらを向かせることを。

でも、そんな事をされなくとも、あなたは思い知ります。
逃げ道など、最初からないのだと。
選択肢など、あるようでないのだと。

この異形の家は、あなたにとって…徐々に、確実にシアワセなクウカンとなります。
だって、このかれが、まもってくれるのだから。

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