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月明かり

学生の頃、よく眠っていた。
明らかによく寝るようになったのは、大学3年生か4年生くらいの頃だったと思う。

逆に夜は眠れなくなった。
頭の中はずっと騒がしくて朝が来るのが怖かった。
布団の中に入っても目を瞑っても、焦燥感が襲ってくるだけで、気づけば朝になった。

寝る前にお酒を飲むようになった。
気分が良くなって、自然と眠気が来るから眠れるようになった。
そのうち、大学に行く前にも飲もうとするようになった。

病院に行って、眠れる薬をもらっても日中に眠気があるから飲まなくなった。
お酒の量は増えた。昼間まで眠る日が増えた。

社会人になった。
薬を飲まないと眠れない。
でも、お酒を飲まないと気が晴れない。
昼間は眠い。居眠りばかりしている。
帰省して、寝ようと思っても眠れなかった。
お酒を飲める環境じゃなかったから。
ずっと周りがうるさくて、音が混ざって揺れていた。

人間にとって当たり前のことが当たり前にできなくなっていることに気づいた。
いつ戻れるんだろう、と考えて7年経った。

今日はここまで。
めでたしめでたし。


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