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「フラワーリングハート」のバーチャル聖地巡礼(2期分)

【"플라워링 하트" 의 가상 "성지순례" (2기분)】

※記事がふくらんできたので1期と2期を分けました。と言っても便宜的なもので、そこまで厳密ではありません。

※聖地巡礼というテーマ上、ある程度のネタバレは避けられないと思いますので、その点をご理解の上お読みください。

※画像は公式動画をキャプチャしたものですが、noteに貼り付ける際に画質が落ちてしまうので、細部まで見て取りたい方は元の動画でご確認ください。

←1期分

2期22話のおしゃれなショッピングエリア

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まだ確認中ですが、これはソウルの「慰礼(ウィリェ)新都市」(위례신도시)にある「松坡ワイズザシャープ商店街 中央広場」(`송파 와이즈 더샵` 상가 중앙광장、前半部の英語綴りは 'Songpa wise the sharp' )という所のようです。
次の不動産関連記事みたいなのに出てくる完成予想図(?)はタイアップでもしたのだろうかというくらいそのまんまです(実際なにかそういった事情でもあったのでしょうか)。

開発計画については次のビジネスブログが詳しい感じ。

問題の広場は102棟(동)と103棟の間にあるようです。

プロモーションの動画もありました。怒られもしないでしょうから、キャプチャと元動画(時間指定入り)を貼っておきます。
ソウルの物件をお探しの方は、こちらも候補に入れてはいかがでしょうか(笑)。

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やはり開発途上なんでしょうか、撮影時点ではまだそこまで賑わってはいないという感じ。

今のところの最寄り駅は長旨駅(장지역、チャンジヨク)か福井駅(복정역、ポクチョンヨク)。そこからバスでアプローチするのが一般的な行き方かと。

現地にはたくさんのバス停があるようですが、近そうなものの例として。
「송파와이즈더샵.엠코타운센트로엘」(ソンパワイズザシャープ,エムコタウンセントロエル)バス停には、231, 333, 343, 440, 9202番のバスが停車。
「송파꿈에그린아파트」(Songpa Dreamgreen APT)バス停には、50, 333, 362, 440, 3012 及び空港バス6600(運休中)が停車……といった具合のようです。

ただ、多くのバスで路線図が複雑な(=単純な行き帰りになっていない)感じ。なので、実際に行かれるならば、とにかく近場のそれっぽいところに着ければ良い、くらいに割り切った方がいいかも。

ソウルの一番の中心部(ソウル駅など)からこちら方面に直接向かってくれる9200番のバスも、便利な場合があるかもしれません。
その場合の現地のバス停は「위례동행정복지센터.위례아트리버푸르지오」が良さそうです。
(「ウィリェアートリバープルジオ」で多分通じるのではないかと。いずれにせよ、これはご自分でいろいろ調べられる方向けです)。

空港バスがあるので、本来なら仁川空港からダイレクトに行くこともできるんですね。と言っても、本数は多くなく、1時間半に1本ぐらいの割合だったようです。

座標:37.476412,127.143151あたり?

2期24話のF1サーキット


……は韓国インターナショナル・サーキット(코리아 인터내셔널 서킷)がモデル。2010年から2013年までここでF1韓国グランプリが開催されました(以上受け売り)。

同話にサーキットの全景も出てきますが、地図と照らし合わせた感じ、周辺の風景やコースレイアウトは大きく変えているっぽいです。

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メインスタンド前の東洋(韓国)風のブリッジは劇中でも目立っていました(下は25話から)

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このブリッジは中を通れるそうです。レポート記事がありました。

検索で見つけたソウルナビの観戦記事と、ファン撮影のスタート動画(音が大きいので注意!)も置いておきます。

座標:34.7421646,126.4179077あたり。

普信閣(보신각、ポシンガク)

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上は2期25話、下は同26話より。
ソウルのど真ん中に今も残る古典建築。鐘つきや年末のカウントダウンで有名なのだとか。比べてみると、後ろのビルなども割とリアルに再現されていますね。
左のビルの上部に「마이크임팩트」(マイクインパクト)という壁面サインがあるのも実際どおり。「マイクインパクト」というのは講演事業などで知られるベンチャー企業らしいです。
(でいいのかな。こういうのは現地に住んでいる人でないと、実際のイメージが掴みづらいですね。)

座標:37.5696716,126.9828262

あと、シュエルが吹っ飛ばされた時に右後ろに映るビルも見覚えがあるような、無いような……(特定できたらしれっと文章修正すると思います^^;)。

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2期13話〜15話、慶州(경주、キョンジュ)への修学旅行編


実在の観光地が次々に出てきます。
どんな場所が出たかを以下に見ていきますが、私が慶州に行ったのは大昔のことなので、勘違いもあるかもしれません。
これを見て現地に行かれる方は、最新のガイドブックなどで正確な情報の入手を心がけてください。
この節ではストリートビューなどを貼るのは最小限に留めるつもりです。

2期13話

途中のサービスエリア

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モデルがあるかもしれませんが、目立った特徴がないので特定は難しいですね。
現地のサービスエリアの例として参考までに安東休憩所(안동휴게소)のストリートビューを貼っておきます。


仏国寺(불국사、プルグクサ)の山門前?

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世界遺産の仏国寺に到着。ここで生徒たちはミッションカード(写真)を与えられ、その場所を探しにいくというのが話の流れですが、距離的に仏国寺からぱっと行けるはずのない目的地も混じっています(^_^;)。作品的にそこまでの整合性は追求していないということなのでしょう。
つきましては、本稿もこの先は原則としてその種のことには触れずにおきます。

さて、ミンとシュエルが手にしたのは古墳のカードですが……これはいきなり難易度が高いミッション。

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結論から書きますと、これは「太宗武烈王陵」(태종무열왕릉、テジョンムヨルワンヌン)だと思います。

座標:35.825264,129.1881561

絵的に微妙な違いがありますが(脇に延びる排水路のようなものの有無)、ここまで似ていればまず間違いないものと。

慶州には山ほどの古墳がある上、どれも似たりよったりなので、こういうのの特定は正直大変です(体験談)。
私は最初、有名な「天馬塚」(천마총、チョンマチョン)がある大陵苑(대릉원、テヌンウォン)あたりだろうかと思ったのですがハズレでした(^_^;)。ちゃんと探しあてたミンもシュエルも実にお見事。
あとついでながら、ミンの目の前にあるスペースは何と呼ぶのか、個人的にちょっと気になります。きっと何か専門的な呼び名があるだろうと思うのですが。

スハとナ・ギチャン(나기찬)のミッションカードは瞻星台(첨성대、チョムソンデ、せんせいだい)。これは簡単。

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大雄殿(대웅전、テウンジョン)……[仏国寺]

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アリの探し物は幸いにも仏国寺内です(笑)。大雄殿を背に、向かって左側が多宝塔(다보탑、タボタプ)。右側が三層石塔(삼층석탑、サムジュンソッタプ)、別名釈迦塔(석가탑、ソッカタプ)。……[仏国寺]

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作品を見た方はご存知のとおり、アリのミッションカードは多宝塔、トランプ王子のカードは釈迦塔でした。

紫霞門(자하문、チャハムン)……[仏国寺]

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石を積んで願掛け。

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ネットの旅行記によると実際に願掛けの石が積まれているそうで、これも仏国寺の一角なのでしょうか。

【2020.12.29追記】
次の方のツイートによると、この場所も仏国寺内に実在するようです。
ツイートその1その2


なお、2期18話ではこんな写真が出てきますが、チェスはいつの間に人間体に戻っていたのか。謎です。(※)

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この日の宿泊施設(詳細不明)。

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伝統的な韓国/朝鮮の家屋(韓屋)を転用した宿泊施設はあちらの観光地ではよく見かけます。
この韓屋にも具体的なモデルがあるかもしれませんが(その可能性は大いにありそう)、そのモデルが宿泊施設になっているとは限らないかなと。
[1期分の方で書いた取材先の学校からそう遠くないところにも錦城堂(금성당、クムソンダン)という史跡があったりして、まぁこれはすごく似てるというほどじゃないですが、意外とそういうのが元ネタになっている可能性もあるかも?]

こういうものは気にかけていると何かの拍子に見つかることもあるので、気長にいこうかと。

2期14話

韓屋のカットを2枚追加。

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先の上空からのカットと照らし合わせると、チェ・ドジン(최도진)先生が立っている場所が分かりますね。
この韓屋にあれだけの人数が泊まれるキャパがあるか疑問ですが、中は意外と広いのかも……?

そう言えば上で出た太宗武烈王陵の割と近くに西岳書院(서악서원、ソアクソウォン)というところがありまして。そこならこの人数でも問題なさそう。
この種の施設の雰囲気を掴むには悪くないかと思いますので、興味のある方は次の慶北日報(경북일보)の記事を(機械翻訳などして)読んでみるといいかもです。


何はともあれ観光再開。

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この遊覧バスは実際にこういうのがあるのか、120番バスのように過去作からの「賛助出演」か?
前景の人の無駄にシリアスな表情も謎です。

【2020.12.29追記】
次の方のツイートによると、この遊覧バスは実在するようです。玉虫(비단벌레、ビダンボレ)がモチーフのようです。
関連ツイートその1その2

改めて調べたら、プサンナビの記事もちゃんとありました。「カマキリ」「バッタ」とかで検索したのが失敗だったかも。
「なんで玉虫?」という疑問には以下の東亜日報(동아일보)の記事が答えてくれる感じで、要するに玉虫を素材に使った装飾品が慶州の古墳(金冠塚や皇南大塚)から出土したというつながりのようです。
金冠塚(금관총)も皇南大塚(황남대총)も慶州の古墳密集地区にある古墳です。玉虫自体も数が減っており天然記念物496号に指定されたとのこと。この件の説明はとりあえずこの辺で。


コスプレして「国弓」(국궁、クックン)体験をする一行。

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これはおそらく慶州でなく、ソウル近郊の水原(수원、スウォン)市にある錬武亭(연무정、ヨンムジョン)がモデルになっているのではないかと思います(慶州でそれっぽい施設はヒットしなかったので)。
水原は世界遺産の華城(화성、ファソン)で知られる街ですが、ここでの詳述は避けます。

とりあえず「国弓新聞」の記事(伝統が軽視されているという批判記事みたい^_^;)と、ストリートビューなど。
コスプレサービスは実際にはやってない感じかな?

座標:37.2877121,127.0227356

ここからちょっと韓国文化(?)のお勉強。現地探訪して一番楽しいのが得てしてこういうものだったりもします。

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弓術体験の後で4人が食べるのは慶州名物「皇南パン」(황남빵、ファンナムパン)。名称はパンですが、実際にはまんじゅうか月餅のようなものみたいですね(実は食べたことありません)。
解説としては次の記事がまとまっていると思います。

土産物屋(モデルがあるか不明)

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ここでシュエルの目に留まるのが孫の手。

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劇中でのやりとりで、

슈엘「이건 뭐지?」
수하「그건 효자손 야.」

シュエル「これは何?」
スハ「それは孫の手よ」

……と言っていると思います。
ということで「孫の手」は韓国語で「孝子手」(효자손、ヒョジャソン)。
シュエルファンの人は土産物屋でそれっぽいのを買ってみるのもいいかもしれません。

土産物屋でナ・ギチャンがつけた仮面

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これは河回タルのうちのプネタルと呼ばれるもののようです。……って意味不明?

もうちょっと噛み砕いて言いますと。
河回村(하회마을、ハフェマウル)という伝統文化で有名な村がありまして(筆者も2度ほど立ち寄ったことがあります)。
そこの仮面劇で使われる仮面(탈、タル)が「河回タル」(하회탈、ハフェタル)。
その劇に登場する「プネ」(부네)の仮面(タル)が「プネタル」(부네탈)

「プネ」というのは、英語版Wikipediaの「河回タル」の項によると

プネ(妾)。プネは前向きで性的なキャラクターであり、劇中では学者や貴族の妾として登場します。

……とのことです(機械翻訳。原文の "concubine" は妾以外に愛人、側室、第二夫人などと訳せる語です)。

この辺のことについてはあまり分かりやすくまとまった解説がウェブに見つからず。
上に挙げた英語版Wikipediaの内容が詳しいので、これを(機械翻訳とかも使って)読んでもいいのでしょうが……。東洋文化の話を英語で読むのは個人的には何だかピンと来ないものがあります。

その他、それっぽい日本語リンクをいくつか貼っておきます(埋め込めないものはURLの形で)。どれも「プネタルって何?」という疑問にストレートに答えてくれる感じではありませんが……。

https://japanese.korea.net/NewsFocus/Culture/view?articleId=13517

ナ・ギチャンファンの方(いるのか?)は一つお土産にどうぞ(笑)。

雁鴨池(안압지、アナプチ)

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慶州観光に戻りまして。ここは一般的には「雁鴨池」として知られる場所で、劇中でもそう呼ばれています。韓国語版Wikipediaでは「慶州 東宮と月池」(경주 동궁과 월지)という項目名。
手元に割と最近の「地球の歩き方 韓国」がありますが、どういうわけかここの紹介は載っていません(昔から?)。そのためかどうか、私はここには行ったことがありません(^_^;)。

プサンナビの記事に、ちょうど修学旅行で来た小学生の様子が出ていたので、貼っておきます。

昼食休憩の場所

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後ろに見える建物は後述の石窟庵に似ているのですが、次回で描かれる石窟庵の遠景と一致しないので、よく似た関連建築と考えるのが良さそう(おそらくは架空のもの)。

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ジャンケンをしているのはペク・ジュヨン(백주연)、オ・ナレ(오나래)、コ・ドンウ(고동우)の3人。
それぞれ1期5-6話のダイエット話、2期1-3話のバレエの話、2期4-5話の恐竜話のゲストキャラです。

向こうのジャンケンは가위바위보(カウィバウィボ)というそうで、次のコラムによれば日本由来。

ついでにWikipediaで「じゃんけん」の項を見たところ、韓国語版の情報は貧弱。日本語版はまぁまぁ。英語版が妙に充実していました。気が向いたらご覧になるといいかも。

あと、向こうの子どもの「お弁当」もちょっと気になるところ。絵で見る限りはあまり日本との差は感じられませんが、実際にはどうなのかな?
韓国語でお弁当は「トシラク」(도시락)だそうです。


石窟庵(석굴암、ソックラム)

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一行が雨やどりに駆け込むお寺(世界遺産)。この辺りからストーリーは一気にフィクション性を強めていきます。
なお、石窟庵も私は行ったことがありません。

本エピソードについてはいつも以上に「こちらのレビュー」を参考にさせていただきました(_ _)。


2期15話


前話に引き続き、石窟庵で大冒険です。

石窟庵内部と本尊仏・釈迦如来座像(석가여래좌상、ソッカヨレジャサン)

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日本語版Wikipediaでは本尊仏を阿閦(あしゅく)如来座像と記載していますが、同韓国語版のほか世界遺産の解説でも「釈迦如来座像」となっているので、そちらが正しいものと思います。

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洞窟探検はもちろん完全なフィクションですが、その背景には最近の考古学の知見がそれなりに(?)反映されているようです。
いつも参考にさせていただいているレビューより。

石窟庵。修復前、修復中、修復後(笑)。

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実際の石窟庵はこんな風にポツンと建っているわけではないようです。ここでもあくまで「フィクションの石窟庵」です。(※※)


キャンプファイヤーのシーン。

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細かいことですが、チェ先生が怪我をしたままなのが少し気になります。
石窟庵に入る直前のシーンでは腕を吊っていないので、怪我をしたのは石窟庵の騒動の時のはずですが、直してもらえなかったんですね(^_^;)。というか、先生の記憶的には、何で怪我しているのか謎ってことになっちゃうのでは……。

あと、上で一緒にお弁当を食べていた3人組がここでも仲良さそう。ドンウ君いいなぁ……。

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暗くてよく分かりませんが、場所はおそらく宿泊先の韓屋かと。木造家屋のそばでキャンプファイヤーができるのはアニメキャラの特権です(笑)。

そして、アリとトランプ王子はいつの間にやらキャンプファイヤーを抜け出し、改めて夜の雁鴨池に(本日2度目)。

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先に紹介したプサンナビの記事によれば夜の10時まで開いている上、入園料は青少年500ウォン、子供400ウォンと激安ですから、小学生でも余裕で払えますね♪
(そういう問題ではない?)

(※)……在来線の列車(ムグンファ号)は慶州駅のほか仏国寺駅にも停まるものがあるようです。観光プランによってはそちらを使うほうが便利な場合もあるかも(とりわけ釜山方面から行き来する場合)。

(※※)……なお、プサンナビの石窟庵の解説によると
「現在は、文化財保存のためガラスの壁を作り、観覧客は木造前室に入り、ガラス越しにのみ石窟庵の内部を観覧することができます。」
とのことですが……
https://www.busannavi.jp/gyeongju/3964

韓国語版Wikipedia記事を(機械翻訳で)読みますと、『毎年、灌仏会のみ石窟庵内部まで公開される。』との一文が。
ガッツのある方はトライしてみるといいかもしれません。
(その場合、韓国観光公社などに事前の確認・相談をしたほうが良いでしょう。中止とかもありえますし。)
なお、灌仏会は韓国の場合、旧暦で見るようなので、概ね5月頃らしいです。


2期16話〜17話は宇宙冒険編(?)


……でした。

まず、2期16話に登場の宇宙センター(?)ですが……。

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いかにも元ネタがありそうな敷地と建物なので韓国の宇宙センターとかをググってみたのですが、それらしい画像に行き当たらず。
残念ながら今のところ正体不明です。

展示パネルとして Tervin Adams とか Zack Burton という宇宙飛行士の写真が映りますが、実在しない飛行士です。

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恐らくこれは制作スタッフのお遊びなんじゃないかなと思うのですが詳細不明です。

さて、「聖地巡礼」というのとは話が離れてしまいますが、宇宙開発系の話は私好みなので、劇中登場の宇宙船などについても以下ちょっと考察してみます。
……と言っても、韓国の宇宙開発のことはろくに調べたことがなかったので、今回改めて確認したのですが。

ゲストキャラのキム・ユニ(김유니)が乗(るハメにな)った宇宙船「ドリーム号」(드림호)。上2つは2期16話、3つ目は17話より。

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韓国は2013年にロシアとの共同開発による「羅老号」(나로호、ナロ号)で人工衛星の打ち上げに成功しました。
これについては次のような打ち上げ動画がありましたが……ロケットの見た目は明らかに劇中のものと異なっています。

……などと、一応もっともらしい順序立てで語ってみましたけれど、実際のところこっち系に興味がある人なら「ドリーム号」のモデルがロシアのソユーズだということは一目で気づくでしょう(ロケットも宇宙機も)。
[下はWikipediaよりソユーズTMA-7(Союз ТМА-7)の写真]

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JAXAの資料でソユーズの図解が入っているpdfがネットにありました。
寄り道めくかもしれませんが、詳しくない方はそれを見ていただいた方が、あとの話が飲み込みやすいかもしれません。

「ソユーズ宇宙船 - 宇宙航空研究開発機構:JAXA」
http://iss.jaxa.jp/iss/jaxa_exp/onishi/material/onishi_press_soyuz_00.pdf

さて、ソユーズの実際の打ち上げの例として、おそらくは本作も意識したであろう、韓国のイ・ソヨンさんが搭乗したソユーズTMA-12の動画を参考として貼っておきます(2008年4月8日打ち上げ)。
[別画面で開かないと表示が見切れるようです。]

他の打ち上げ動画や、打ち上げ前の様子を映した動画も見つかりましたので(どれも画質が良くなかったのですが)、それもいくつか参考までに。

打ち上げその2
打ち上げ前その1その2

なお、次の記事によると、韓国人の宇宙飛行士は現在までのところ、このイ・ソヨン(이소연、李素妍)さんただ一人のようです。(※)

ところでソユーズ系列のロケットはリフトオフ時、ロケットを支える支柱が外側に倒れ込む特徴的かつ格好いいシーケンスがあります(「チューリップ式」と呼ばれる)。上の動画でも見て取れます。
劇中それが再現されていなかったのは個人的に少々残念かも。

あと、「アボートタワー」(宇宙船の一番上部に取り付けられる緊急脱出用のロケット)の描写が抜けているという指摘が韓国のサイトにありました。個人的には、それは単なる省略ということでいいと思うのですが。


話は変わって、救助に出た魔法の宇宙船「希望号」(희망호)。これは言うまでもなく(?)米国のスペースシャトル(Space Shuttle)がモデルでしょう。2期17話より。

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下に、スペースシャトルの退役飛行となったSTS-135の打ち上げ及びミッションハイライトの動画を参考に貼っておきます(打ち上げシーンに時間指定しています)。
打ち上げは2011年7月8日(日本時間9日未明)。


さて……どうにかこうにか地球に帰還したアリが乗っていた(らしい)モジュール。

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これはソユーズの帰還モジュールの上半分に、昔のアメリカの帰還カプセルの着水装備を組み合わせたものでしょうか(?)。

果たしてそういう見立てでいいのかどうか分かりませんが、とりあえず参考画像を。

下はソユーズTMA-21の帰還モジュール。
(写真はこちらの博物館のサイトより。)

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帰還時にはカプセルが高熱にさらされるため、実際はこんな風に外部は黒焦げになります。

こちらは事故からの生還で有名なアポロ13号の帰還カプセル(画像はNASAのページよりS70-15841)。
オレンジ色の浮き輪のようなものがビジュアル的にも目立ちます。アメリカの着陸船の特徴の一つです。

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上で紹介したイ・ソヨンさんが帰還時に乗ったTMA-11回収時の動画も見つかりましたので、時間指定つきで貼っておきます。
[別画面で開かないと表示が見切れるようです。]

この時はソユーズの不具合で乗員に猛烈なGが掛かり、大変だったようです。
なお、番号の違いでお分かりかもしれませんが、イさんは行き帰りで別の機体に乗っています。

宇宙服のことはよく知らないのですが、劇中で着用しているのは「有人機動ユニット」(MMU)のデザインにちょっと近い感じ? 違っていたらすみません。
(参考写真はWikipediaより。)

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さて、もう少しリアル寄りの話をしますと、韓国は2021年に完全国内開発のロケット「ヌリ号」( 누리호)を打ち上げ予定らしいです。

上の動画によればペイロード1.5トンとのことですから、単純計算でなら有人飛行も可能なスペックではあります。
(Wikipediaによると、アメリカ初の有人衛星フレンドシップ7は1,224.7キログラムでした。)
まぁ、実際にこのロケットで人を飛ばすということにはならないでしょうが、韓国の技術がフラワーリングハートの世界に一歩近づいたとは言えるかもしれません。

(※)……日本人初の宇宙飛行士としてソユーズに搭乗した秋山豊寛さんは旧ソ連の宇宙飛行士資格を取得していますが、イ・ソヨンさんはそうした資格を取得していないとのこと。
なので、厳密に言うとイ・ソヨンさんは「宇宙飛行士」ではなく「宇宙飛行関係者」となるようです。
日本の毛利衛飛行士の初回飛行は「搭乗科学技術者」としての資格でしたから、どちらかと言えばこちらに近い感じでしょうか。


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2期4話でドンウくんが広げる恐竜の棲息地マップ(?)。

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この地図自体に学術的な元ネタがあるかは分かりませんが。
このエピソードで取り上げられたヴェロキラプトルの化石はモンゴル、中国、ロシア東部から発見されているということで(つまりユーラシア東部に棲息)、ソウル近辺から化石が出土するというのも、そこまで荒唐無稽な筋立てではなさそうです。
(……とか言うと、地層的にあり得ないとかのツッコミが詳しい人から入るかもですが。)

韓国にはいくつか恐竜博物館(공룡박물관)があるようなので、機会があったら立ち寄ってみるのも良いかも。


2期6話。デザイナーコンテストの会場となったドーム球場風の施設(実際には棟が別れているようですが)。実在のモデルなどがあるかは分かりませんでした。

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「仁川アシアド主競技場」なんかはアングルによっては微妙に近い雰囲気があるかも? 上空からのビューだと全く別物ですけど。
下はWikipediaの写真から。

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2期18話に登場する動物園のエントランス。モデルになる動物園があるのかもしれませんが、さしあたり不明でした。

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また場所の話から離れてしまいますが。
2期22話(パティシエ回)の冒頭でスハが聴いていたのはラフマニノフの「ヴォカリーズ」。

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『魔法少女まどか☆マギカ』以来、魔法少女アニメの文脈では「失恋」、「恋人を奪われる」ことの象徴としての意味合いがある曲だと。
いつものブログ様が実に鋭い分析をされていて目からウロコです。

さて、正式に言うと「ヴォカリーズ」(Вокализ)はラフマニノフ「14の歌」作品34(Рахманинов. «Четырнадцати песен, опус 34».)の14曲目。
私はロシア音楽好きなのですが、実のところこの曲は完全に盲点に入っていました。

思うに、マニアを気取る人はこういう曲に却って疎いということがあるかもしれません(^_^;)。
つまり、14曲を全部通して聴くか、そもそも聴かないかの2択になりがちという……。

ともあれ。下に元々の独唱曲としての演奏と、

劇中でスハが聴いていたチェロ編曲版の演奏を貼っておきます。


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2期18話(動物園回)で映るバス停。

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このカットでは時間が12:30であること、バス停の後ろに「물망초의원」(忘れな草医院)というのがあるらしいことが見てとれます。

この「忘れな草医院」については後でまた触れるつもりですが、一旦それは措いて、まずは電光掲示の方を見てみましょう。

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ここに表示されているのは恐らく「路線番号/待ち時間の目安/当該バスが今いる場所」の順ではないかと思います(実際にこういう表示をしているバス停があるのかはよく分かりませんでした)。

ともかくその線で読んでみると

120  前前 つぼみ初等学校
120-1 10分 忘れな草病院(7前)
120-2 15分 ツツジヴィレッジ(11前)
130  前前 停留所 出発

「前前」とか「7前」というのは「今いるバス停」から「2つ前」「7つ前」にバスが着いた、の意味かと。
おなじみの地名も出てきてます。これだとアリの団地から小学校まで(路線が違うとはいえ)バス停9つ分ぐらいありそうということになりますが……。きっと遠回りする路線で、直線距離は大したことないのだと考えるのが妥当でしょう。
あと、「忘れな草病院」はバス停の後ろにある(らしい)「忘れな草医院」と紛らわしいですね(^_^;)。

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上で名前が出た「忘れな草医院」(물망초의원)ですが、よくよく見たら2期18話以外にもいろんな話に登場していました。
また、その近辺のお店などについても複数回登場しているものがあります。

それを全部網羅するのはあまりに煩瑣なので、目立った登場シーンのみご紹介していきます。

1期25話

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右側は「ブラックホールPCルーム」(「PCルーム」とは要するにネットカフェ)、「BABY SHOP」、「眼鏡・コンタクト」、「スピード英語」、「BB証券」、「忘れな草医院」。
左側は「つぼみ公認仲介士」(公認仲介士とは不動産関連の資格らしいです)、「YAYA COFFEE」など。

2期2話

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忘れな草医院(左下)から時計回りに「スピード英語」「勝利テコンドー体育館」、「リトルバレエアカデミー」。
この付近には「CCSイングリッシュスクール(3F)」とか「眼鏡・コンタクト」の店もあるようです(2期1話)。
テコンドー教室とバレエ教室がストーリーに関わってきたのはご存知のとおりです。


2期5話

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忘れな草医院の下は(このカットだけでは読み取れませんが)「BB証券」。「YAYA COFFEE」をはさんで縦に「眼鏡・コンタクト」。

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右上から「スピード英語」「BB証券」「ブラックホールPCルーム」。

(以下、工事中)