去りゆく人
何かの所属から去って行く人を、
逃げていく人だ。とずっと思っていた。
道半ばで投げ捨てて、
なぜ離れられるのかと。きっと、
去っていった人たちが、後悔するような未来をここで創ろうと思ってた。
だけど、いざ自分が
去る側になろうとしている時。
これは、本当に逃げなのだろうかという疑問が浮かぶ。
むしろ、攻めているのではないかと。
慣れ親しんだ場所から、新しい場所に行くためには、想像していた以上の勇気と気合いが必要で。
慣れ親しんだ場所を離れる決断は、想像できていなかったほどの覚悟が必要だった。
それは、情なのか、甘えなのか、なんの感情かすらもわからないけど。
後ろ髪を引かれ続ける中で、振り向かずに、前だけ向いて進んでいくことは、気力が必要だった。
もしも、ここで違う決断をしたら。
答えのない。もしもの未来を想像しながら、一番笑ってる未来の自分を探している。
もしも、あのとき。
違う選択をしていたら。
未来の私が、今の私の選択を、
そんな気持ちで振り返ることがないように。判断を間違えたくないと思えば思うほど、心と身体が違う向きを向いていく。
残されるものが、辛いのだと思ってた。
だけど、去りゆく人も辛い。
ありがとうございます。感謝いたします。