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第一回マウンティングお喋り会、開催報告
先日「マウンティングおしゃべり会」の1回目をオンラインで開催しました。
・自分の好きなことについて自慢をする
・謙遜なし
・相手の話を丸ごと受け止める
ただそれだけ。
それだけなんだけど、私の興味はずっと「抑圧と反動」について。もしかして妬みや僻みがない世界はきっと平和で、純粋に自慢できることは聴く人にとって新たな知識や興味を引き出すことになるんじゃないかということなのです。それって豊かなことなんじゃないか、でも現代社会の我々は素直に自慢を披露できる場をあまり持っていないし、9歳で聴く側に回ってその歴33年の私としては「自慢をしてくる人は大体寂しさを紛らわして、認めてほしいという意図がある」と常々思っており、自慢の行為自体がなんだか不健全な気がしている。
健全に自慢し、キラキラした気持ちでその話を聞く場がどんな色になるんだろう、そんな思いから参加者を募りました。
そもそもこういうことに興味を持ってくれる人はいるんだろうか・・・と思っていたら、いた。
・毎日着物を着て会社にも出勤し、アンティーク着物コーデで人気の人
・元映像ディレクターで現在は無職を公言し、作曲に取り組んでいる人
・NYファッションウィークにも参加するアイドル衣装を手掛けるデザイナー
・世界を旅する現代アーティスト
面白メンバーから繰り出される自慢の数々は「そこに目がいく!?」「初めて知りました!」「そんな世界が?」と本当に面白いものばかり。
ボトルのキャップが開いたみたいに躊躇なくドバドバと好きなことを伝える回。終始和やかな空気でしたが、チェックアウトの時間には爽やかな雰囲気が漂っていて(私はこの様子をレモン果汁入りの炭酸水だと思った)「ああ!こんな色になるのか!」と予想したものとの相違が刺激的でした。
いや、何かイベントやる時って最終的な場の色の仮説を立てるでしょう。私はなんか赤い燃えるようなものになるのかなと思ったんです。でも違った、もっといいものだった。
またやりますね。これはだって楽しいもの。
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こういう謎の会を開く時「あっかちゃんまたなんかやってんな・・・」「ふざけてるな」と思われてるとは思うんですけど、原体験としましては1998年の世にも奇妙な物語で放送された「ダジャレ禁止令」を観たことです。景気回復のため国民はしっかり働かなくてはならずダジャレが法律で禁止される。それでも夜な夜な地下にある会員制秘密クラブ?でこそこそとダジャレを言いまくる会社員たち。何しろ彼らはダジャレを言わないとストレスが溜まるのだ。しかしある夜に警察に踏み込まれ、最後の台詞は「ダジャレを禁止したのは誰じゃ!」。
私リアルタイムで放送を見て以来一度も見られてないんですけど、それでも結構細部まで覚えいます。何度も思い出すうちに長期記憶フォルダに入ったようです。
このドラマでは抑圧された人たちは検挙されたわけだけど、抑圧とその反動がなくなったらどうなるのか私は知りたいのです。「世界に進歩がなくなるよ」そう考える人はきっと多いと思います。でもやってみなくちゃわかんないじゃん。
私が生きているうちに「丸ごと受け止める社会の実現」はあり得ないと思っている。「それいいね!」と思う人がいても、新しい命が生まれて、それは本能でまたマウンティングしてしまうものだから。永遠の命が手に入らないのだもの、サイクルは止められない。ただ、2024年を生きる私たちがすこしでも愉快に人生の舵を取り続けられるように、この同時代性の実験的場を時々開催していきたいと思います◎
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進行:田坂あす香(表現するからだ)
マウンティング研究家、演技ファシリテーター
マウンティング研究歴33年。他の誰にもしないような自慢話を受け付けるようになり「私は聴き手側なんだ」とはっきり悟った9歳の通学路での天啓から、反抗期などを経て現在はコミュニケーションの在り方を人にお伝えする側に。
演技講師として年間のべ700人以上の表現に触れつつ、モデレーターとしても活動。芸能事務所レッスンや市民向けワークショップ、マンツーマンレッスン、学校ワークショップなどやってます。
日本演劇学会会員
インスタ https://www.instagram.com/hyougensurukarada/profilecard/?igsh=MTdrYzU3dnp1NzJ3bg==
人生は試行錯誤の連続、なるべく楽しく実験したい。