演技がどんどん上手くなる人のマインドセット1「自立」
おはようございます(業界挨拶)、演技講師です。
俳優・モデル・声優の事務所や養成所でお芝居を教えることを生業にしています。そしてもう一つ、ライフワークとして「役者になりたいわけじゃないんだけど演劇が人生の役に立つような気がする」という方向けの講座をストアカでやっております。↓こういうの
様々な演劇メソッドがありますが、私のクラスの特徴は「自分の武器を磨いて自分らしい表現を追求する」というところにあります。どんな逆境も乗り越えるための自分らしく輝く方法でサスティナブルな役者人生を送って欲しい、というところが私の原点です。そのために発声練習などの基礎練習をしっかりやって土台を作り、演技実践ではその人らしい思考と表現がのびのびと発揮できる環境作りをやっています。ご興味のある方は上リンクからぜひ!(事務所系WSはクローズドなのでご案内出来なくてごめんなさいね)
そんなこんなで事務所系クラスとストアカ講座などで年間のべ900人くらいの方とお芝居をやっているなかでみつけた「自分らしい演技力が確実に伸びていく人」の特徴をシェアしたいなと思いまして、今日はそれについて書いていきます。
大雑把にいうと4つの特徴があって、
1 自立している
2 ダメだしをポジティブに受け取る
3 同じクラスを受けている人に対してポジティブな印象を持っている,他人と比べない
4 スポンジのように吸収できる
立ち止まらず伸びていくタイプはこんな人です。
「あー、だめだ、自分は当てはまらない!無理だ、諦めよう!」って思わないでくださいね。もちろん上記の特徴にあてはまる「ナチュラルボーン上達早い系の人」は存在します。でも体感としては、めちゃくちゃ少ないです。上達するためのマインドセットは意識しながら身につけられるものです。そのために必要なことをこれから挙げていきます。
1 自立している
演技を見せてもらっている中で、演技中にもかかわらず講師席にいる私とバチバチに目が合う人がいます。クラスの中で「私と目があったら?」「・・・ダメ、です」というやりとりをいろんな場所で1年を通して20回はします。
なぜダメか。板の上(舞台の板。たとえそこが舞台じゃなくて稽古場だったとしても、演技している俳優は「板の上」にいるのです)にいる間、関係を築いていくべきは同じ板の上にいる共演者や小道具、セットや照明音響です。演技中に私と目があってしまうのは「これであってますか?」という不安感からですが、「これで合ってるかな?」という思考は役に必要ではないですし、舞台上のあらゆるものとの関係性を放棄してしまっています。
自立していることとは、単に演技講師から親離れするというだけのことではありません。「演技中は全部自分が引き受ける」と覚悟を決めること。いいじゃないですか、ダメ出しされたって(私はダメ出しという言葉が苦手なので「フィードバック」と言っていますが、ダメ出しのが世の中に浸透しているのでここではそう書きますね)。それに舞台に一緒に乗っているあらゆるものを観察し関係していけば自ずと素晴らしい演技につながっていきます、こっちみてる場合じゃない!
「でも不安なんだもん」「先生がどんな顔してみてるか知りたいんだもん」
わかります、わかるよ。でも演技講師が気に入ったところで何にもならないわけですよ、趣味が同じディレクターもいれば全然違う人たちもいて、千差万別ある表現の世界の確率で言えば演技講師と同じ趣味の監督なんて少ないと思うよ!だから、気にしない。それよりももっと、自分が表現したいことに集中する。
それに映像演技の時など収録中にディレクターをチラチラ見たら・・・おかしいでしょ?癖になっちゃうので、まず癖を外そう!
演技中に自立したい人のための4ステップ
1:しばらくはとにかく演技中に講師を絶対に見ないぞと誓う。実行する。
2:見ないことに慣れたら、共演者の細やかな表情・佇まいを観察しながら演技する
3:自分の瞳は役そのものの演技を続け、舞台上のあらゆる範囲を目玉を動かさないままで把握できるようにする
4:講師をみるのはダメだしが始まってから。ダメ出しでうまくいってなくても「やっぱりダメだったか」などと落ち込んでいる暇はありません。「じゃあどうしようかな」と次のことをポジティブに考えましょう(これについてはまた改めて細かく記事にします)。
自分で表現の取捨選択をし、自分で責任を取る。どんどん上手になる人はその覚悟があります。もし自分にそのマインドセットがないよという人は、一つずつ挑戦していきましょう!ぜったい、ぜーったい演技が変わってきます。
残り三つのマインドセットの要素については、また近々書きますね。
今日はここまで。皆様、よき表現者人生を!!