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短冊のはためく駅にて
学校(兼勤務先)の最寄り駅では、毎年七夕が近づくと、コンコースに短冊と記入台、そして笹が設置される。
短冊は誰でも記入可能で、笹のどこにくくりつけるのかも自由だ。利用客たちが足をとめて短冊を手に取る姿は、この駅の風物詩と言っていいかもしれない。
七夕が近づくほど短冊は増えていき、構内に飾られる頃にはかなりの数になっている。
その内容は、健康祈願から恋愛成就に加え、就活のことや「単位を落とさない!」といった大学生しか書きそうもないことまで、じつに幅広い。
時期が終われば駅近くの神社でお焚きあげしているらしく、そこそこ気合が入っている。
わたしはこの毎年恒例のささやかなイベントがけっこう好きで、毎年なにかしら書いてきた。
最初の年はたしか健康のことを書いた。わたしにとって健康より優先されることはなかったからだ。
ある年はまた、ある授業で忙殺されている最中だったので「夏休みが来ますように」って書いた。
そのおかげか、ちゃんと夏休みは来た。
ことし、笹の枝には感染症に関するねがいごとがたくさん吊り下がっていた。
ひとと同じことをするのは気が引けるタチなので、なんかちがうこと書いたろ!って思った。
悩んだ。
ねがいを書いてみたものの、なんかしっくり来てない。
しょうじきなところ、センスのかけらもないので、ここには載せられない。不覚。
ふと目をやるとデッカい字で「○○ちゃんと仲良くなれますように!」と書かれている短冊もあって、おもわず頬が緩む。
純粋にそう思えるっていいよね…。
しみじみ。
しじみ。
さぁことしも「笹の葉ラプソディ」がやってきた。
星の見えそうもない梅雨空だけど、天の川はたしかにそこにある。
最後に天の川みたのいつだっけな…。