自粛するほどバカをみる問題について
現在、国や地方公共団体から外出自粛要請や休業要請は明確なかたちで発出されている状況ではない。
そのため、人びとの行動は各々の裁量とリスクマネジメントに委ねられている状態なのは多くのひとが感じるところであろう。
ここでどうしても気になってしまうのが、大人数での会食を控えたり、「三密」を避けたりといった感染防止を心がけているひとほど、どこか「バカ」をみることになっているのではないか、ということだ。
わたしの知人や友人もふくめ、感染防止を配慮している人びとはいまも引き続き多くのことを「我慢」している。
彼ら/彼女らのおかげで、感染者の急増はみられず、「最悪の事態」は回避できたのだと思う。
その一方で、なにも規制や要請がなされていないことで「我慢」をやめ、リスクの高い行動をとるひとも相当数いる。
たしかに彼ら/彼女らからすれば「ダメといわれてないし、ビビって勝手に我慢してるんだろ」という心持ちかもしれない。
しかし、「我慢」をしている人びと、そしてどこかで闘っている医療従事者の方々がいるからこそ、あなた方は「我慢」しなくてもなんとかなっているのである。
もちろん、「我慢」しすぎないほうが経済的にも精神衛生的にもよいことだとは思う。
とはいえ、「我慢」をしているひとがしていないひとの尻ぬぐいをさせられ続けているのだとしたら、これほどバカな話はない。
「正直者はバカをみる」という社会構造は昔もいまもそのままかもしれない。でも、このことを顕在化させすぎると、誰も正直にはならなくなる。
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