「そのままでいいんだよ」と中村倫也
「そのままでいいんだよ」。
俗に言う「メンヘラ製造機」が使うとされることばである。
現代の日本において、このことばをもっとも発してそうな雰囲気をもつのが、他ならぬ中村倫也さんだと思う。
わたし自身、文字を打ってるだけで脳内再生されるレベル。これは相当強力だ。
現状はいくら「そのまま」でよくなくても、とりあえずあの声でささやかれてみたい。
もはや性別や年齢など関係ない。すぐ言われたい。すごく言われたい。
疲れた国民を癒すためにも、まさにこのひとことだけを配信かなんかしてくれないかなって思う。
とはいえこのセリフは、中村倫也さんが言うからこそ許される。
なにしろ真面目な話、「そのままでいいんだよ」なんて暴力でしかない。
誰が誰にとって、何がどのように「そのまま」なのか。まったくわからないからだ。
5W1Hも何もあったもんじゃない。
もしかしたら、プロ野球の岡田彰布・元監督による名言(迷言?)、「そうなれば、そうなるやろ」よりもあいまいだと思う。
いわば肯定というよりも、「肯定風のなにか」だ。
「そのままでいいんだよ」を単なる肯定だととらえてしまったら、いろんなことがあらぬ方向へと行ってしまいそう。
そもそもほとんどの場合、あなたにとっての「そのまま」とわたしにとっての「そのまま」はおなじではない気がする。
結局、ここでいう「そのまま」とは、その関係の限りにおいて構築された「そのまま」にすぎないのかもしれない。
だからきっと、他者の数だけ「そのまま」がつくられる…?ような気もする。自信ないけど。
てなわけで、もしわたしがある日突然、中村倫也さんと入れ替わるようなことがあっても、「そのままでいいんだよ」とはなかなか言えないなぁ。
ちと前提が荒唐無稽すぎたか。
とにかく、一度でいいからあの声を使いこなしてみたい。
あぁ-、ジブン良い声やわぁ、って思ってみたい。
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