もしかして:人生 ~難病診断から移植までのあれこれ~③
【悪化する病状】
本記事は、「特発性肺動脈性肺高血圧症」に診断されてからの10年間を綴る連載ものです。
未読の方は前回までの記事からどうぞ!
大学を辞め、闘病しながらのバイト生活になったわけですが、闘病と労働の相性が悪いというのは誰にでも分かることで……案の定私の病状はどんどん悪くなっていきました。
それまでは内服薬での治療だったのですが、これでは病気の悪化を止められないとのことで、24時間皮下注射をするタイプの薬に切り替わりました。
1ヶ月に1回、留置針というテープ付きの針を下腹部に刺します。留置針は小さな機械に繋がっていて、そこに薬品を入れたシリンジ(注射器のようなもの)をセット。機械を通して薬が注入されます。
痛いと分かっているのに針を刺さなければならないのはとても怖いですし、激痛が数日間続き、刺し直しの前は皮膚がぐちょぐちょにかぶれてかゆみも出るので、本当に嫌な薬でした。
当時、私は都内で接客業をしていました。
一応状況は説明しているものの完全に理解してもらうことはとても難しく、勤続が最も長かったこともあって、シフトの穴を埋めるために連勤……という機会も多かったです。お腹の痛みをこらえての労働もしょっちゅうでした。
また、一緒に働いていたキャストさんに「お前みたいな病気の人間と働きたくない。なんで私がお前のフォローをしなくちゃいけないんだ。」と言われたこともありました。
このことを当時のオーナーに話しても私が悪いということになり、その仕事を辞めざるを得なくなってしまいました。
お店に迷惑をかけていたのも事実ですし、他のキャストさんがそう感じるのも無理はないと思います。
薬に悩み、働くことに悩み、人間関係も……
これからどうしようか、途方に暮れながらも、人生は進んでいきます。
次回、【さらなる悪化と移植登録】
よろしくお願いします。
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