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職場の御局が会社と喧嘩した話

学生を卒業して初めて務めたお店にオープニングからいる当時30歳ぐらいの女性がいた。
その人はかなりの曲者で非常に扱いづらく要注意人物としてみんなから距離を置かれていた。
そんな御局はアニメや漫画が大好きで毎年必ずコミケに参加していた。旅費を抑えるためにいつも夜行バスを利用しており夜行バスで朝帰ってきてその足で出勤するというのがいつものパターン。
とある年もコミケに参加する為に東京に出かけた御局さん。その時台風が来ており案の定帰りの夜行バスが運休中止になって足止めをくらってしまったと連絡があった。
そこの職場はどんなにやむを得ない状況で休む場合でも強制的に有給に当てられると言うシステム。御局が帰れなくなったと前日の夕方頃に連絡を入れて来た時もいつも通り「有給にしておきます」となったのだが前々からこのシステムに不満を抱いていた御局がついに反論に出た。
私は初の社会人というのもありこの有給システムが当たり前だと思ってたのだが強制的に有給を当てるのはどうやらあまりよくないらしい。
御局の言い分は『台風で帰りたくても帰れない状況は自分のせいではないのになぜ強制的に有給扱いになるのか意味が分からない。自分の意思で有給を使いたい』と言う事だった。その意見は最もだがそれが会社のやり方なのでごねたところで仕方ないと言った感じ。御局と電話していた社員さんも最初は優しくなだめるもかなり粘る御局にイライラしてきてついに口論になった。この事は上に報告すると社員さんが電話を切り本社に電話をかけ御局が有給の事でごねている事や今までの態度(遅刻や居眠りや業者と喧嘩する)などを報告しだした。本社が電話口で何と言っていたのかはわからないがとりあえず翌日の欠勤の有給は免除される事になりそれを御局に伝えると翌々日はケロッとした顔で出勤していた。
普通の感覚の人間ならば社員と口論になった時点でかなり気まずいのにさらに無理やり有給を免除させ何食わぬ顔で出勤するのは心臓が強すぎる。それを見てこの人はやはり只者ではないなと逆に感心してしまった。
御局は私が辞めた後すぐに辞めたらしく今はどこで何をしているのかわからないが有給の話しになるとこの事を思い出してしまう。

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