初恋の人の話
私は中学1年生の時に好きな男子ができた。
同じクラスの男子で好きになったきっかけはあんまり覚えてなくて気付いたら…と言う感じだった。もしくは一目惚れ。
入学してしばらくは名簿の順で座らされているので彼と私は話すこともなく『あの人気になるなー』程度だったが同じ班になれたとき話す機会が増え 優しくて物腰柔らかい彼が大好きになった。
忘れもしない出来事があり日直で彼とペアになる奇跡の日があった。日直は授業が終わると黒板を消さないといけないのだが消している最中チョークの粉が目に入ってしまい目を擦っていると私が泣いていると思ったらしく彼が私の顔を覗き込みながら声をかけてきてくれてた。目にチョークの粉が入ったことを説明すると′′泣いてなくてほんと良かった′′とニコニコしながら言ってくれて背が低い私を気遣い黒板消しの掃除を全てやってくれた。
顔を覗き込まれたとき本当に心配そうな顔をしており 私の事をこんなに心配して気遣ってくれるなんて夢みたいだと感激しながら家に帰った記憶が鮮明に残っている。
あの時期の男子は女子に対して意地悪を言ったり無愛想に振る舞う子やイキり散らす子が多かったので余計に彼が素敵に見えたのだと思う。
私はすっかり彼に夢中になり部活の練習を見に行ったり彼と同じ本を買ったり四六時中彼のことを考えていた。私はいつか彼に告白するために距離を縮めようと友達の協力を得て奮闘するも勇気が出ず、2年3年はクラスも別々になってしまいそのまま何もなく卒業してそれっきり。
成人式で久しぶりに会ったスーツ姿の彼は言葉にできないかっこよさで一緒に写真撮ろう!と声もかけれずただ目で追うことしかできなかった。
そして成人式から数年経ったとき電車でばったり彼と再会した。彼は彼女とドア付近に立っており抱き合ったり彼女の頭を撫でたりしてかなりイチャついておりびっくりと同時に悲しい気持ちになった。肝心の彼女はと言うと平安時代ならモテそうな顔をしており体もふっくらしてて可愛いとは真逆のタイプ。
彼が公共の場で彼女とイチャついていたと言う事と彼女の容姿が悪かったのとでダブルショックを受け家に帰って泣いた。
そしてそこからまた月日は流れふと彼はどうしているかとSNSを調べたら電車の彼女とは別の女性とできちゃった婚をしていた。
結婚する前に子どもを作ってしまう辺り彼も男なんだなーと思いながらインスタに載っていた奥さんとのウェディングフォトや奥さんだけを写したストーリーのハイライトを見てまた泣いてしまった。その奥さんもお世辞にも可愛いとか綺麗とは言い難い容姿だったのでおそらく彼はB専なのだろう。
私も現在既婚で夫と付き合う以前にも何人か男性とお付き合いしたがぶっちゃけ彼を超える人はいない。思い出を美化している部分もあると思うが彼は完璧な男性として自分の脳にもうインプットされている。この歳になっても結婚してても尚彼のことを思い出すのはそれほど好きだったのと彼と恋愛がしたかった未練だと思う。
もしあの時成人式で声をかけてたらお互い結婚していた未来もあったのかななんて事を考えてしまい最近ナーバスになっている。
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