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結婚した日に選んだ器が割れて、金継ぎをはじめた。

金継ぎを知ったきっかけは、正直よく覚えていない。。
けれど、割れてしまったらもうどうしようもないと思っていた器を “直す” という選択肢があると知った衝撃は、まあまあ大きかったように思う。

私にはお気に入りの古民家カフェがあって、そこで過ごす時間が自分にとってとても大切だった。そのカフェで使われていた器は、蚤の市で並んでいるような昭和初期と思われるレトロなものから、作家ものの器まで様々で、どれも物語を感じられるような、店主さんの愛を感じるセレクトだった。ここに通うようになってから器を好きになり、金継ぎを知ったような気がする。

カフェの近所にこれまた古民家のギャラリーがあり、定期的にテーマを設けられた器の展示販売が行われていて、そこに通うのも私の楽しみのひとつだった。
結婚してその土地を離れることになった時、これからの生活のおともとなる器をそのギャラリーで選ぶことにした。区役所に届けを出したその足でギャラリーへ向かい、夫となったばかりの彼と2人、それぞれお気に入りの器を選んだ。

結婚して数ヶ月経ったある日、夫が洗い物をしていた時その器が割れた。
これが私が金継ぎをはじめるきっかけとなった。

元々金継ぎという修復方法があることは知っていて、やってみたいという気持ちもあった。なので割れてしまったという事実に対するショックはあったものの、これを機に金継ぎをはじめなさいってことだなと素直に思った。
割れてしまっても落ち込まないですむというのは、金継ぎができるようになって一番よかったなと思うところ。
お直しにて生まれた新しい景色を愛でながら。。。

こんな出来事から、私の金継ぎ人生ははじまりました。




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