Mika Mizuno

名古屋生まれ。姫路市での子育て中に、子どもにお話を語り聞かせるストーリーテリングの活動…

Mika Mizuno

名古屋生まれ。姫路市での子育て中に、子どもにお話を語り聞かせるストーリーテリングの活動に出会い、子どもたちとお話を分かち合う楽しさにどっぷりはまる。現在は故郷である名古屋の図書館や放課後児童クラブ(トワイライトスクール)などで活動中。

記事一覧

お話を子どもと楽しむvol.20  知ってるお話

「知ってるお話」を楽しむ 子どもの聞き手は、知っているお話を喜びますー だいたい、どのストーリーテリング入門のテキストにもそう書いてあります。本当でしょうか?結…

Mika Mizuno
4か月前
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お話を子どもとたのしむ vol.19 いいご趣味?

趣味のストーリーテリング?  おはなしを子どもとたのしむための方法のひとつとして、わたしは、ストーリーテリングをしている。昔の同級生などに「今何やってるの?」と…

Mika Mizuno
1年前
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お話を子どもとたのしむVol.17 お話は早送りできません

ババ仰天!1歳児が「早送り」要求 1歳5ヶ月になる孫娘、最近ようやく「バイバイ」「よっこいしょ」「うまーい」などの片言が出るようになりました。先日、その孫娘と留…

Mika Mizuno
1年前
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お話を子どもとたのしむ Vol.16 「てぶくろ」を語る

 毎月、ストーリーテリングのお話会をしているトワイライトスクール(名古屋市が各小学校に設置している放課後児童クラブ)、今月のプログラムは以下の3話でした。 -てぶ…

Mika Mizuno
1年前
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お話を子どもとたのしむ vol.15 お話となかよくなる

ストーリーテリング入門講座(5) 前回までは「お話は文学」「語り手と聞き手双方向で作るもの」「イメージを再創造する」など、はずせない大事なこととはいえ、かなり抽…

Mika Mizuno
1年前
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お話を子どもとたのしむ Vol.14 けれん味なく語る

ストーリーテリング入門講座(4)語り手は黒子  けれん味ってあまり馴染みのないことばですね。けれん味というのは、もともと舞台用語で、見た目の奇抜さをねらった派手…

Mika Mizuno
1年前
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お話を子どもとたのしむ Vol.13 昔話と創作のお話

ストーリーテリング入門講座(3)かしこいモリー と こすずめのぼうけん 初めにお話を2つ聞いてもらいます。 ー かしこいモリー (イギリスの昔話)    『愛蔵版…

Mika Mizuno
1年前
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お話を子どもとたのしむ Vol.12 お話は双方向          

ストーリーテリング入門講座(2)おぼえて語ること  知り合いなんかに、図書館でお話会のボランティアをしているというと、だいたい「ああ、読み聞かせね」と言われます…

Mika Mizuno
1年前
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お話を子どもとたのしむ Vol.11

ストーリーテリング入門講座(1)お話は聞く文学 名古屋ストーリーテリングの会まほうのおなべが講師となって、名古屋市北図書館で、ストーリーテリング入門講座を開きま…

Mika Mizuno
1年前
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お話を子どもとたのしむ Vol.10

新1年生 はじめてのお話会 昨日と今日、続けて2校のトワイライトスクール(名古屋市が各小学校で行っている放課後児童クラブ)で新1年生に向けてお話会をしてきました…

Mika Mizuno
2年前
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おはなしを子どもと楽しむ vol.9

ストーリーテリングのよろこび in 田辺市立図書館新大阪から紀勢本線くろしお号で2時間20分、紀伊田辺は世界遺産熊野古道「中辺路ルート」の入り口の町です。柑橘類が…

Mika Mizuno
2年前
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お話を子どもとたのしむ vol.8

きくことのおもみ 先日、NHKのETVの「こころの時代〜宗教・人生〜「”ほんとう”を探して」という番組を見ました。番組で取り上げられていた「民話再訪者」の小野和子さん…

Mika Mizuno
2年前
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お話をこどもとたのしむ vol.7

松岡享子さんありがとうございました 松岡享子さんが亡くなったー先週金曜日、お話の仲間からの訃報を皮切りに、別のお話の仲間からも、昔話の再話研究会の仲間からも、つ…

Mika Mizuno
2年前
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お話をこどもとたのしむ vol.6

北風に会いにいった少年 土曜日は、「おはなし こすずめの会」が担当している名古屋市瑞穂図書館の「ストーリーテリングのお話会」でした。 コロナ前はこぢんまりしたカー…

Mika Mizuno
2年前
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お話をこどもとたのしむ vol.5

金色とさかのオンドリ ことし最初のトワイライトスクール(名古屋市が各小学校で運営している放課後児童クラブ)でのお話会。まほうのおなべの仲間3人で語り、元気な1年生…

Mika Mizuno
2年前
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お話をこどもとたのしむ vol.4

第3回 お話をおぼえるお話会のプログラム(例3) 鳥のみじさ(日本の昔話)  『日本の昔話5』(福音館書店) かしこいモリー(イギリスの昔話)  『子どもに語るイギ…

Mika Mizuno
2年前
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お話を子どもと楽しむvol.20  知ってるお話

お話を子どもと楽しむvol.20  知ってるお話

「知ってるお話」を楽しむ 子どもの聞き手は、知っているお話を喜びますー だいたい、どのストーリーテリング入門のテキストにもそう書いてあります。本当でしょうか?結末を知っているお話なんてつまらないんじゃないかしら・・・ わたしも長いことそう思っていました。主人公が危ない目に遭ったりするお話では、どうやって切り抜けるんだろうと、はらはらドキドキしながら手に汗握って聞き入るのが面白いんで、展開を知ってい

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お話を子どもとたのしむ vol.19 いいご趣味?

お話を子どもとたのしむ vol.19 いいご趣味?

趣味のストーリーテリング?

 おはなしを子どもとたのしむための方法のひとつとして、わたしは、ストーリーテリングをしている。昔の同級生などに「今何やってるの?」と聞かれて、ストーリーテリングのことを話すと、たいてい「いいことしてるね」だったり、「ボケ防止によさそうだね」という反応が返ってくる。老後の趣味としては、まあまあいいんじゃないの、という「賛辞」なのだろう。
 だけど、わたしはストーリーテリ

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お話を子どもとたのしむVol.17 お話は早送りできません

お話を子どもとたのしむVol.17 お話は早送りできません

ババ仰天!1歳児が「早送り」要求

1歳5ヶ月になる孫娘、最近ようやく「バイバイ」「よっこいしょ」「うまーい」などの片言が出るようになりました。先日、その孫娘と留守番をしていたときのことです。おもちゃ遊びに飽きたのか、テレビのリモコンを私に手渡して「見せろ」アピール。そこで、「いないないばあ」の録画をつけてやると喜んで見始めました。お気に入りの歌ではテレビの中のわんわんといっしょに踊ってご機嫌。と

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お話を子どもとたのしむ Vol.16 「てぶくろ」を語る

お話を子どもとたのしむ Vol.16 「てぶくろ」を語る

 毎月、ストーリーテリングのお話会をしているトワイライトスクール(名古屋市が各小学校に設置している放課後児童クラブ)、今月のプログラムは以下の3話でした。

-てぶくろ(ウクライナの昔話)同名絵本(福音館書店)より
-北風に会いにいった少年(ノルウェーの昔話)『おはなしのろうそく13』(東京子ども図書館)より
-かざじぞう(日本の昔話)同名絵本(福音館書店)より

 今回の聞き手は1年生15人。密

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お話を子どもとたのしむ vol.15 お話となかよくなる

お話を子どもとたのしむ vol.15 お話となかよくなる

ストーリーテリング入門講座(5) 前回までは「お話は文学」「語り手と聞き手双方向で作るもの」「イメージを再創造する」など、はずせない大事なこととはいえ、かなり抽象的な内容になってしまいました。ストーリーテリングは、誰もが楽にできることでもないし、お話ひとつおぼえるにも本当に時間もかかるし苦労もするんだけれど、それでも続けていられるのは、やっぱり「たのしい」からなんですよね。このことこそ、これからス

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お話を子どもとたのしむ Vol.14 けれん味なく語る

お話を子どもとたのしむ Vol.14 けれん味なく語る

ストーリーテリング入門講座(4)語り手は黒子

 けれん味ってあまり馴染みのないことばですね。けれん味というのは、もともと舞台用語で、見た目の奇抜さをねらった派手な演出のことだそうです。必ずしも悪い意味だけでなく、奇抜で面白いという意味で「けれん味にあふれた」というふうにも使うようです。ここで、松岡享子さんが書いておられるのは、お話は、声色や身振りなどの奇抜さで聞き手に受けることをねらうのでなく、

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お話を子どもとたのしむ Vol.13 昔話と創作のお話

お話を子どもとたのしむ Vol.13 昔話と創作のお話

ストーリーテリング入門講座(3)かしこいモリー と こすずめのぼうけん

初めにお話を2つ聞いてもらいます。
ー かしこいモリー (イギリスの昔話)
   『愛蔵版おはなしのろうそく1』(東京子ども図書館)
ー こすずめのぼうけん (ルース・エインワース作)
   『こすずめのぼうけん』(堀内誠一画 石井桃子訳 福音館書店)
   『愛蔵版おはなしのろうそく7』(東京子ども図書館)

「かしこいモ

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お話を子どもとたのしむ Vol.12 お話は双方向          

お話を子どもとたのしむ Vol.12 お話は双方向          

ストーリーテリング入門講座(2)おぼえて語ること

 知り合いなんかに、図書館でお話会のボランティアをしているというと、だいたい「ああ、読み聞かせね」と言われます。「そうじゃなくて、おはなしをおぼえて語っているのよ」と話すと、「えーっおぼえるの?」と、驚かれます。そうやって驚く人のほとんどは、「本を読んであげればいいんじゃないか」と思っているんでしょうね。そういう人には、お話をおぼえて、聞く人の顔

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お話を子どもとたのしむ Vol.11

お話を子どもとたのしむ Vol.11

ストーリーテリング入門講座(1)お話は聞く文学

名古屋ストーリーテリングの会まほうのおなべが講師となって、名古屋市北図書館で、ストーリーテリング入門講座を開きました。10月の第4火曜日から4回の講座です。ストーリーテリングを今まで聞いたことがなかったという方、ご家庭でお子さんにお話をしてあげたいという育休中のお母さん、それから、ストーリーテリングの会に入ったばかりで基本を学びたいという方などが集

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お話を子どもとたのしむ Vol.10

お話を子どもとたのしむ Vol.10

新1年生 はじめてのお話会

昨日と今日、続けて2校のトワイライトスクール(名古屋市が各小学校で行っている放課後児童クラブ)で新1年生に向けてお話会をしてきました。
名古屋市の小学校では、この時期、1年生はまだ給食がありません。トワイライトスクールに来た1年生は家から持ってきたお弁当を食べて、保護者のお迎えまでの時間を過ごします。まだ学校生活にも慣れないでしょうに、どちらの学校の子どもたちも、指導

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おはなしを子どもと楽しむ vol.9

おはなしを子どもと楽しむ vol.9

ストーリーテリングのよろこび in 田辺市立図書館新大阪から紀勢本線くろしお号で2時間20分、紀伊田辺は世界遺産熊野古道「中辺路ルート」の入り口の町です。柑橘類が豊かに実る山と黒潮の海に囲まれた長閑な町ですが、コロナ禍の前は、熊野古道目当ての外国人観光客が年間6万人もやってきて大賑わいだったと、駅前の観光センターの方に教えてもらいました。
今回は田辺市図書館からお招きをいただいて、一緒に活動してい

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お話を子どもとたのしむ vol.8

お話を子どもとたのしむ vol.8

きくことのおもみ

先日、NHKのETVの「こころの時代〜宗教・人生〜「”ほんとう”を探して」という番組を見ました。番組で取り上げられていた「民話再訪者」の小野和子さんは、宮城県のじっちゃやばっちゃたちに民話を語ってもらい、それを記録に残し、伝える活動を50年にわたって続けてこられた方です。さらに、2011年の大震災の当事者の方々に体験を語ってもらうことも、震災があったその年から現在まで続けていら

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お話をこどもとたのしむ vol.7

お話をこどもとたのしむ vol.7

松岡享子さんありがとうございました

松岡享子さんが亡くなったー先週金曜日、お話の仲間からの訃報を皮切りに、別のお話の仲間からも、昔話の再話研究会の仲間からも、つぎつぎに同じ知らせが飛び込んできました。どの知らせにも一様に、先導者を亡くした悲しみが綴られていました。
わたしが、松岡享子さんと直にお会いしたのは、講演会を含めて3回ほど。そのうちの一回は「姫路おはなしの会」で平成17年の2月に松岡さん

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お話をこどもとたのしむ vol.6

お話をこどもとたのしむ vol.6

北風に会いにいった少年

土曜日は、「おはなし こすずめの会」が担当している名古屋市瑞穂図書館の「ストーリーテリングのお話会」でした。
コロナ前はこぢんまりしたカーペット敷の「おはなしの部屋」で開催していたお話会ですが、今は感染を避けるために、広い集会室に間隔をとってジョイントマットを置き、参加も6組限定で行っています。今回のお客さまは、おじいちゃんと2年生くらいのお兄ちゃんと年長さんくらいの妹、

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お話をこどもとたのしむ vol.5

お話をこどもとたのしむ vol.5

金色とさかのオンドリ

ことし最初のトワイライトスクール(名古屋市が各小学校で運営している放課後児童クラブ)でのお話会。まほうのおなべの仲間3人で語り、元気な1年生10人が聞いてくれました。私が語ったのは「金色とさかのオンドリ」です。

ホレおばさん(ドイツの昔話)
 『愛蔵版おはなしのろうそく8 赤鬼エティン』より
にんじん、ごぼう、だいこん(日本の昔話)
 『日本の昔話 1』より
金色とさかの

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お話をこどもとたのしむ vol.4

お話をこどもとたのしむ vol.4

第3回 お話をおぼえるお話会のプログラム(例3)

鳥のみじさ(日本の昔話)
 『日本の昔話5』(福音館書店)
かしこいモリー(イギリスの昔話)
 『子どもに語るイギリスの昔話』(こぐま社)
ついでにペロリ(デンマークの昔話)
 『おはなしのろうそく6/愛蔵版おはなしのろうそく3』(東京子ども図書館)

話をおぼえる理由

「お話を丸ごとおぼえるなんて自分には無理!」「暗記は苦手なんです」とよく言

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