少年

夏休みもそろそろ終わるのかな？

そんな言葉を近所の小学生に話しかけた

おばちゃん。今日で終わるんだよ
いやだなぁ〜学校

ちょっと憂鬱そうにその子は言った。

なんで？久しぶりにお友達に会えるでしょ？
楽しいじゃないの？

そんな深い意味もなく言うと

…僕ね、お友達いないの

えっ？しまった…咄嗟にやってしまったと後悔した。

お友達いないの？

と聞くと

うん。1番仲が良かったお友達が転校しちゃったんだ。

その言葉を聞いてあ〜良かったと肩を撫で下ろし

そっか〜それは寂しいね
でも、他にもお友達おるんじゃない？

と言うとパッとこちらを見て

うん！僕ね〇〇くんと遊ぶのが大好きなんだ。
でもお友達じゃないんだ。
これからお友達にならなきゃダメなんだ。

コロコロ変わる表情がとても可愛らしかったが
彼はとても真剣なんだ。

そっかぁ〜大変だね

そう言うと

うん。友達になれるかなぁ〜
でも頑張るよ

そう言って男の子は
手を振り去っていった。

子供も大変だなぁ
お友達を作るのに頑張るか…

そう思うと大人も子供も人間関係に変わりないのだ｡

◇◇◇

私は先月までパートで働きに出ていた。

女性ばかりの職場で
ボス的存在の先輩に嫌われたらここにはいられないよ
とは聞いていたが、まさか私がそんな目にあうとは思ってもいなかった。

大人になってもいじめはあるのだ。

数ヶ月我慢して働いていたが
夫に相談すると

そんなとこ無理して働くことなよ。
辞めていいよ

と間髪入れずに言ってくれた。

いつもそうだ。
若い頃から人間関係に悩み体を壊して以来
いつも夫が励ましカバーしてくれた。

そんな時に近所の男の子と話をしたのだ。
なんかこのタイミングでこの内容？
と思ったが彼から力をもらった気がした。

いつまでもクヨクヨするな！
次頑張ろう！

憂鬱だった気持ちが少し晴れた
そんな夏休み最終日だった。