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福岡で感じた東京のダサさと拠点と敷金

東京に行ってきます、といっても一週間だけ。

ベトナムに戻る前に、挨拶したり会っておくべき人に会っておこうというのが主だった目的なんだけど、なんとなーく最近、「これからは東京に行く機会が減るような?」…という気がしている。それは今、日本の拠点において福岡に心惹かれているというのも大きい。

2月末から3月初旬に福岡へ行った。懐かしい友人たちとの再会が目的だったんだけど、福岡(市)はいいぞ、住むのにいいぞとプッシュされ、縁もゆかりもない場所だったので気持ち半分で聞いていたが、これが客観的に考えるほど確かに魅力的なのだ。行政がスタートアップ支援に積極的でおもしろい経営者が集まっているところ、外国人観光客(まだ中韓中心だが)に開かれているところ、街並みやインフラにホスピタリティを感じるところ、メシがウマいところ、家賃が安いところ、など…。拒絶する方が不条理に思える。

とくに一気に心を持っていかれたものがシン・ゴジラの噴水ショーだった。キャナルシティというショッピング施設では自動制御された噴水ショーが楽しめ、期間ごとにさまざまなコンテンツと組んでいる。ちょうど自分が行ったときには「シン・ゴジラ」で、ゴジラが博多の街をぶっ壊していたり、スマホと連携された実験的コンテンツの機会を提供していたり、それ自体が、英語・中国語・ハングルと多言語に配慮していたり、10分余りの時間で、クリエイターがすごくてもどうにもならない、行政の「懐の深さ」を感じた。

申し訳ないけど、そのときばかりは、「最大都市でこれができない東京はダサい」「優秀な人が集まってるはずなのになぜこうして攻められないんだ」とすら思った。「東京は東京であることをもっと活かせるだろ」という…。もしかすると、単にその動きをキャッチできずに申しているだけなのかもしれませんが。そのときは「バカだなぁ」と心で思ってもらえれば幸いです。

じゃあ「福岡住め」って話なんだけど

自分はこれからダナンに住もうとしていて、現状福岡とは直行便が出ていない(ハノイとホーチミンの2都市とつながっている時点で日本の中ではかなり良いけど)。けれども、前述の観光客の勢いを見ていたり、また福岡自身が「アジアのリーダー都市へ」と謳っているあたり、直行便が出るのもそう遠くないのかも。むしろ、大言壮語だが、その一助を自分が担えたら最高に思う。数多の人によって言い古された「両国の架け橋になる」という言葉を自己満足でなく実践することがベトナムに戻る目的だからそうなれないと。

と、そうした「拠点は福岡」ということを猛烈に意識するようになって、改めて「なぜ俺はよく東京に行くのだろう?」と考える。と、実はそんなに考える間もなく答えは分かり切っていて、「ベトナムから日本への便利な玄関口になっている」というところ。そして、それこそまさに冒頭で書いたように、「つながっている人が大勢いる」というところ。根暗な学生時代を過ごしたので(今もか…)、地元の大阪よりも東京の方が友達はよっぽど多い。

それに最近はオンラインでの打ち合わせも当たり前になりつつあるし、ITだとか、スタートアップだとか、イノベーターだとかの文脈で福岡が注目されていることも知られているみたいだから(LINEが自社ビル建設を予定していたらしいよ、流れたけど)、福岡にいたらいたらでかえっていろんな人が訪ねに来てくれるのではないか。観光地としても良いところだし、むしろその方が、東京でパッと会って飲む以上により濃い関係が築けるかもしれない。

何が「拠点」たらしめるのか

目下、ダナンで部屋を探さなきゃと思い、一週間ほどの仮住まいを探そうとAirbnbを見ていたら、ワンルームなら一ヶ月でも3~4万円と安くて驚いた。というより、月額割引というものがあり、むしろ得する。そうか、数日単位で旅行する忙しい日本人(?)はむしろ少数派で、一ヶ月以上滞在する旅行者も世界にはぜんぜんいるのか。だったらそもそも半年や一年契約をせず、こうして日単位で借りつづけちゃった方がリスクが低いのかもしれない。

そう考えると余計に、「拠点って何なんだ?」という。ベトナムが拠点だったとき、タイが拠点だったとき、自分にとって何をもってそう感じていたかというと、デポジット(敷金)を払って部屋を借りていたからだ。Airbnbも先払いという点では途中で出たら損はするが、デポジットとは意味が違う。

なら最初から、ダナンにしろ、福岡にしろ、Airbnb(ウィークリー、マンスリー)でいいのでは?こうなるといよいよ、必要な場所に必要なだけいる、いわゆる「多拠点」だとか「ノマド」だとか、みたいなことになってくる。流行りに乗っかってるみたいに見られるのは好きじゃないけど、むしろ自分こそがその流行りを引っ張っている一人なんだろうな。これは現象なんだ。

まー、まずはダナンに片足を付け根まで深々と突っ込むことからだけど、そのあと福岡にも拠点を張るとき、アプローチはどうしよう?ただ部屋を借りればいいってもんじゃない。コミュニティとつながらないと拠点じゃない。ちょうど向こうで動画もやるから、経営者のインタビューでもはじめてみようかなぁ。事実、どんな人がいるのか知りたいし。よく考えてみれば、そういう、人に切り込んでいくための肩書きや実績を持ってるっていいよね。

ぜんぶうまい棒につぎこみます