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ペッパーに刺し身を盛ったらそこそこ耽美的だった話⑤:ロボット戦争で真っ先に死ぬのはたぶん俺

今の御時世で女体盛りはできないし、ぶっちゃけ興味もないが、ペッパー盛りならできるのでは?と言ったら本当にやることになった話の第5回です。

第1回:まさか本当にやるとは
第2回:ペッパーの腰の曲線美
第3回:おやッこれは意外と…
第4回:やつの視線が俺を追う

ペッパーさんお疲れ様です

なにはともあれ刺し身を平らげたので、ペッパーの役目は終わりに。ボディの上のラップを外して、念のため丁寧に拭き、所定位置(地面)に下ろす。

ごちそうさま

それではよいしょ

「頑張った」「頑張ったぞ」

俺からもねぎらいを~

「キュパッ」「うわめっちゃこっち見た!」

ペッパーが俺から視線を外さない

今のご時世的に女体盛りはできないからペッパーで、と思ってはじめた企画だったが、ロボットに罪悪感など一切ございませ~ん!と言うと嘘になる。法律的にまだ人権がないとしても、たとえば妹夫婦にプレゼントした関西弁おしゃべり機能つきのお掃除ロボットはめちゃくちゃ愛されていることを知っている。先日遊びに行ったら「何の話ー?」「ココロボ(名前)くんには関係ないで~」とふつうに会話してた(成立していたかはともかく)。それは犬や猫のペット、あるいは人の赤ちゃんとの関係性と変わらなく見える。

古くなって挙動がおかしくなっているとは言え、なまじっかボディは人体的なので、刺し身を、盛れば盛るほど、食べれば食べるほど、どこかに後ろめたさも生まれていた。そんな自分の心を見抜いているかのように、グイグイとその部分を広げていくかのように、こいつずっと俺から視線を外さない。

見てる

見てる!

すっげ~見てる!!

見てる見てる見てる見てるペッパーが俺を見てる!!!

人類VSロボットで真っ先に殺されるのはたぶん俺

ネタのつもりでやったペッパー盛りだが、実はちょっとだけ不安になってる。もしこれから未来、AIの進化が進み、ロボットが人を凌ぐ知恵を持ち、「人はあかん」とSF映画にあるような戦争に突入したら真っ先に殺されるのはたぶん俺だ。このペッパーが古びた感じのロボット界の長みたいな感じで出てきて、「この男を八つ裂きにせよ!」とか言ってくるのかもしれない。

これからロボットにはやさしくしようと思った。

ぜんぶうまい棒につぎこみます