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SHOWROOMのアイデアを転用して就職活動の新しいカタチを考えてみた

今回は「SHOWROOM✕就職活動(主に新卒採用)」について綴っていきます。

SHOWROOMの人気の理由を知って、前田裕二のスゴさに改めて驚かされた訳ですが、せっかくなので、新型コロナウイルスの影響を受けてカタチを変えつつある就職活動に転用してみたい。

まず、SHOWROOMのスゴさからお伝えしようと思う。

AKB48の総選挙が盛んにメディアに注目されていた頃、ご存じの通りAKB48のメンバーが生配信をおこない、総選挙にて人気ランキングが発表される仕組みだった。握手券の同封されてたCDが多くの人の手に渡っていた時代。

ファンの方々は自分の推し(応援しているアイドル)に投票して、結果として上位に表彰されることで承認欲求が満たされるのであろう。もちろん、推しが前年度よりもランキングが上がる者もいれば、落ちる者もいる。キンコン西野のいう“共犯者を増やす”ということはこういうことだろう。

そうして、テレビの奥にいたアイドルを居間で応援したり、ライブ会場で遠くから声援を送るだけだった応援の仕方が変化した。

この仕組みに更に踏み込んだモデルがSHOWROOMである。

SHOWROOMでは事務所と契約を結んでいる公式アイドルと、個人と契約を結んでいるアマチュアアイドルの2パターンが配信主として活躍している。

そんなSHOWROOMで成果を上げた事例を基に、就職活動に転用するとどう変わるのか?考えていきたい。

大西桃香さんというAKB48のアイドルがいる。彼女は朝5:30になるとファン3,000~5,000人が待つ前で配信をおこなった。寝坊して泣きながら謝罪した経験もあるそう。結果的にSHOWROOMのランキング企画にて1位を獲得することができた。

ここで言えることは、他の人が真似しにくいこと(朝5:30配信の継続)✕ニッチな市場を狙う(朝5:30の時間帯)✕応援したいと思える仕組み(ランキング/ギフト/双方作用)✕“共犯者”になれる(参加者意識が強い)(双方にとって)参加ハードルが低い(SHOWROOM)がある。

ここで、就職活動に置き換えて話を進めていきたいと思う。これからオンラインの就職活動が主軸化していくと仮定する。

他の人が真似しにくいこと:(関心を惹く)企業ごとの魅力を発信する(IR情報、社員紹介、社長メッセージ、事業内容、業務内容)、毎日配信、休日発信、企業のアイドル的社員を育てる、他の企業が躊躇しそうな情報を提供する など

ニッチな市場を狙う:22卒の就活初心者(選考未経験など)、就職活動に対して無関心な早い時期、24卒以降の大学生対象企画、早朝の時間帯、就職活動に後ろ向きな学生、早期内定を得て就職活動を終了した学生 など

応援したいと思える仕組み:企業の戦略や成果をRPGに見立てて解説、(入社数年の)社員の育成記録、人目を惹く新しい取り組みをPR(ロケット事業、オフィス改装、新規事業、炎上ツイート)、アイドル社員の投票、説明会時に新企画についてアンケートの実施 など

共犯者になれる:参加者〇名限定、参加型説明会、(企業の一員として)新規事業立案、予約販売数でギネス記録を目指そう、新商品の名前募集、コメント可→毎回反応、コミット率を視覚化してランキング形式 など

参加ハードルが低い:Twitter/Instagram/Facebook/LINEからの流入→身近なSNSを介することで情報への接触回数を増やす、説明会参加時に“ついでに”関与、トークライブ感覚を視聴するで就職活動、顔出し・マイクONは強制しない など

ほかにも多くの戦略が練られるだろう。

ここで考えたのは、意図せず共犯者(学生)が企業で働いていると錯覚させるモデルである。

言うまでもないが、就職活動時には将来顧客となり得る可能性のある商品・サービスを提供している企業の説明会にも参加することになる。

理念ビジョンに共感したり、推しの社員が働いていたり、自身も一部携わった興味のある事業内容があれば、入社はしないまでも購入に至る可能性は十二分に秘めている。

キンコン西野がこれからは「機能検索」から「人検索」となる、と示唆しているが、どうせ商品・サービスにお金と時間を割くならば、上記のような理由で、自分の好みな企業を選ぶ時代に変化するだろう。

となれば、会社説明会時にノベルティー(企業のロゴが入ったグッズ)を配布したり、座談会やセミナーの開催といった形で一時的に関わるのではなくて、“共犯者”を増やすことを意図した採用活動も人事の役割になるのではないだろうか。

新卒学生や中途採用者を年間〇名採用しました!という業務だけではなく、将来の顧客獲得のために~をして、△△名にアプローチを仕掛けました。結果として〇年後には、~のような成果が見込まれます、のように。

そう考えると、従来通りHPを見て興味のある企業を選んだり、エージェントに紹介をお願いしたり、就活サイトに登録して企業説明会に応募したりするだけの就職活動の方法は変わってくる。

ここからは、たとえば~で思いついた具体的な案を並べる。

新入社員の1日~育成記録~:noteにOJT制度を担当した社員と新入社員がそれぞれの視点で実際に働いている様子や、業務・社会に対する想いなどを綴っていく。変化を年間を通じて視覚的に分かるようにして、入社後の姿を具体的にイメージさせる。今週のオススメ記事はコレ!とかピックアップしてほしい。業界業種に興味→noteを読む→企業を知る流れ。

勝手に企業の成長記録:InstagramやTikTokなどのアプリを介して、〇〇を実現するために今、こんなことをしています!を発信する(たとえばロケット事業、採用サイトの作成、オンライン診療技術の発展、飲料の新企画など)。キンコン西野が「人は確認作業でしか動かない」と言うように、企業の商品・サービスを0の状態からネタバレする。応援してもらう仕組み。ただし、競合に知られると不利になる情報には注意。まだまだ考え様はありそう。商品・サービスに興味→企業を知る流れ。

みんなで練ろう新企画:新商品・サービスの企画を顧客と一緒につくっていくもの。パンダやマクドナルドがネーミングを“共犯”したように、顧客1人ひとりが「少しだけ関わった」経験を増やす。説明会の導入時にアンケートを実施して、次の商品企画について協力してください!などの魅せ方でも面白いかも。パッケージデザインとか。短期インターンで“自社の成長に繋がる”魅せ方ができるのであればOK。商品・サービスに興味→企業を知る流れ。

なんちゃって就職活動:ツイキャスやYouTube生配信を利用した社員と学生が繋がれる機会。仕事の合間に~とか、夜寝るまで~とか、休日ゴロゴロしながら~とかの隙間時間に接触する。業界・業務やプライベートに関する話を展開したり、就職活動の相談に乗ったりする。対談形式でも良いよね。合同説明会のような「偶発的な出会い」も大事なので、企業・社員がランダムで配信主を務める仕組みでも面白そう。宣伝の仕方は多様。複数の企業で一緒に開催してランダムでも良いかも。人に興味→企業を知る流れ。

みんなでお悩み解決:bosyuやTwitterなどを介して、最初の入り口は匿名で人間関係や業務内で出た課題をシェア。学生の視点から意見することで“共犯”意識を持たせる。興味がある場合は企業のHPのリンクへ。1度関係を持ったらその後の動向も気になるので、(恐らく)フォローされる笑 なるべく非日常だったり、よりリアルだと面白いと思ってもらえそう。身近な悩み~業務上の悩みまで解決策の案を選択肢の中から選んで投票制にしたり、記述式でリスト化しても良さげ。一緒に課題解決→企業を知る流れ。

早朝企業勉強会(毎朝5:00~6:00):社員が学生に向けて業界の広い知見から自社の競合の紹介までザックリとした説明をする。もちろん質疑応答などのコメントにも対応。就職活動の仕方や実際に働いている様子も伝え、学生からの信用を獲得する。他の企業へ学生が流れてしまうのでは?と不安な方もいると思うが、目的は信用の獲得による「この人がいるなら入社しよう」と「この人がいたこの企業の商品・サービスを利用しよう」といった人検索。企業名は出して、担当社員は匿名でも良い。人に興味→企業を知る流れ。

企業のルーキー育成塾:「新入社員の1日~育成記録~」に似ているが、各社アイドルのような存在が育っていく過程を見守る。社員の記事投稿(投稿頻度は自由)に「いいね」がついた順でランキングをつけたり、応援メッセージを書き込める。業務以外でその人が時間を割いてる副業とか地域活動について発信しても良いかもね。人の「N字型」を描く過程に直に関われる。なんか毎年アイドル社員を別枠で入社させる企業とか出てきそう。人に興味→企業を知る流れ。

これらのほかにも、考えたら沢山のアイデアが出てくるだろう。ぜひ思いついたら教えていただきたい。

大事なのは、既存の手段が本当に最上なのか疑うこと。コロナの影響もあり、世に出ている商品やサービスのカタチは変化してきている。

たとえば料理教室をZOOMが主流になってきたからそのまま移行したら良いじゃん!って単純に考えるのではなく、背景や時代のニーズに目を向けて、付加価値を提供するとしたら何だろうか?と考えること。

今回は就職活動に転用して考えてみた。たとえ入社しないとしても、就職活動を通じて出会った企業を応援したい!と思えるような関係性を構築することは難しくないんじゃないかな。

就職活動以外にも、自分の興味のある課題に転用して考えてみることに意義があると思う。それがたとえカタチにならなくてもね。

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