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愛犬への想い

君が我が家に来たのは2018年の秋だったね。

当時、俺は仕事が忙しすぎて家に来たばかりの君に会えなかったね。

君が俺の家に来た時、君は自分がなぜこの家に来ることになったのか、理解できなかったと思う。

あの頃の君はまだ生まれて3ヶ月くらい、家の近所の「愛犬ショップ」からウチのお爺さんに連れて来られたんだったよね。

君が我が家に来たばかりの頃、君の面倒はお爺さんがみていたと思うけど、俺はその頃に鬱病になり君のことをよく覚えていないんだ。ゴメンな。

ほとんど赤ちゃんだった君のことをお爺さんはじゅうぶんに面倒みられていたかな?

俺が鬱病で入院したあと、君のことは俺の次男が色々とやってくれたみたいだったよね。

お爺さんでは手が回らない処を次男が補っていたって、後で女房から聞いたんだ。

女房の話では、「まるで年の離れた弟が生まれたみたい」に次男が面倒をみたらしいね。

俺が病院から退院した後、暫くの間は俺たち家族と君との付き合い方がお互いに解らず、戸惑うことばかりだったね。

俺たちは君とどう接していいか解らなかったし、君も俺たちにどうやって甘えて良いのか、解らなかったみたいだったね。

だから、お互いに誤解したことも色々あったね。

君は軽く甘噛みしたつもりだっただろうけど、次男の上着や女房のエプロンに穴を開けたり、お爺さんの手を傷つけてしまったり。

それから君はただ寂しかったり怖かっただけだったのに、俺たち家族も君の気持ちを理解してあげられなかったから、君が夜鳴きを繰り返して御近所から苦情を言われた事もあったね。

それがキッカケになって君は俺の家の玄関で毎晩寝ることになったんだよね。

それから君が以前居た愛犬ショップに相談してドッグトレーナーさんに来てもらったり、色々やったね。

あの頃は君も俺たちもお互いを理解できなかったから、本当に辛い思いをしたね。

最近の君はスゴく優しくて甘えん坊だよね。あの頃とは違う犬みたいに君は変わったよね。

それはたぶん君が俺たち家族のことを理解して俺たちを自分の家族だって認めてくれたからだね。

君が我が家に来てから約2年もの間なかなかお互いを理解できなかったけど、この前の冬の夜、君が家の玄関に置かれたケージの中で足にワイヤーを絡めて痛がっていた時、そのワイヤーを俺が解いてあげた瞬間から君は俺のことを認めてくれたよね。

あの夜、足にワイヤーが絡まった君は、俺の手を噛むことで痛みを紛らわしていたね。

俺が右手を噛まれながら絡まったワイヤーを解いていた時、君は俺の目を見ながら噛む力を緩めてくれたよね。

「いい歳したオッサンが何を言っているんだ?」って思われるかも知れないけど、あの時君が俺のことを信用できる「友だち」だと認めてくれたと俺は感じたんだ。

あの夜以来、君は俺にそれまでとは一段階違う信用の仕方で接してくれるようになったね。そして今は夜も本当に安心して寝る様になったね。

今では俺も毎日君と散歩に出かけるのが楽しみになったし、散歩の最中に君が俺だけに見せる何とも言えない表情や仕草が、俺はたまらなく愛おしいんだよ。

俺のことを、俺たち家族のことを「友だち」「家族」だと認めてくれてありがとう。

君は犬だから人間みたいにはっきりと顔の表情にでないけど、今の俺なら君の表情で君がどんなことを感じているかを大分理解できるようになったよ。

そして君も俺たちが君に何を言っているのか、理解してくれるようになったね。

それは君も俺たちもお互いを理解してきた証拠だね。

今、改めて君にお礼を言わせて欲しい。

ありがとう、家族になってくれて。

そして俺たちに笑顔をくれて、本当にありがとう。

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さすらい
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