「ワレワレはUber配達員」ショートショート
ああ情けない。映画会社のESの提出期限にギリギリ間に合わなかった。これはひとえに私の準備不足だ。次からはもう絶対しない。いつもギリギリだったから、きっと痛い目を見るべくして見たのだ。本当に自分が嫌になる。
しかし、手元には、ESために書き下ろした小説がある。(ESでショートストーリーを書かなければいけなかった)それを腐らせておくのはもったいないので、せめてここで成仏させようと思う。
問「ママはUber配達員」というタイトルでショートストーリーを作りなさい。なお、「ママ」については変更しても構いません。
「ワレワレはUber配達員」
やあ、元気にしているか。こっちは元気だ。地球は食べ物も口に合うし、住みやすい惑星だ。地球で流行のものを調査してこいってことだったから、Uber Eatsを調査した。Uber Eatsというのは、食べ物を運ぶサービスのことらしい。しかも、誰でも配達できるそうだ。俺は偵察を兼ねて、Uber Eatsの配達員になってみた。彼らは大きな黒いリュックを背負って食べ物を運ぶ。このリュックは#$%!&?(地球にない概念のため翻訳不可)が丁度入るくらいの大きさだ。俺はそのリュックを背負って、新しく買った自転車(そっちに帰ったら経費で落としてくれ)に乗って、食べ物を運んだ。これが意外と難しくて、運んでいる間に食べ物が崩れちまうんだ。ジュースがこぼれて、フライドポテトが飛び散ったものを届けた時は、流石に怒られたな。運んでいる間に、別の偵察員にも会った。ちょうど映画館から出てきたところだった。こっちは苦労して食べ物を運んでいるのに、気楽なものだ。大きなロボットで戦う映画を観たと言っていたな。彼は、俺が背負っていたリュックに興味を持っていた。せっかくだからと彼にも配達員になってもらった。今は俺も彼も楽しく働いているよ。だからそっちに帰るのは、もうあと一か月先でもいいか。別に、Uber配達員が楽しくてやめられないからではないぞ。ただ、もう少し偵察が必要だと感じたためだ。上にも伝えておいてくれ。よろしく頼む。