Bean to Bar Chocolateはエモいお菓子〜ワークショップ体験レポート「Minimal 銀座店」〜

Bean to Bar Chocolate専門店の「Minimal 銀座店」のカカオ豆からの手作りチョコレートワークショップの体験レポート。チョコレートは好きだけど、Bean to Bar Chocolateを食べたことがない実際に作ったことがないワークショップにはまだ行けていない、行ってみたいという方に向けた記事です。

ちなみに僕はチョコレートやお菓子が大好きで幸せになるためにお菓子は必要だと思っている26歳男性です。それでは本編をどうぞ!!!

Bean to Bar Chocolateのおさらい

カカオ豆(Bean)から板チョコレート(Bar)ができるまでの全工程(選別・焙煎・摩砕・調合・成形)を、 自社工房で一貫管理して製造する新たなチョコレートの製造スタイル。〜Minimal Bean toBar 基本用語集より〜

・Minimal chocolateの製造工程

収穫

発酵、乾燥

焙煎(店舗の作業はここから)

外皮分離・選別(ワークショップはここから)

磨砕・調合・精錬

調温・成型(ワークショップはここまで)

熟成

詳しい内容を知りたい方はこちらから「Minimalのチョコレートができるまで」をご覧ください。

ワークショップの説明

今回ワークショップに参加した店舗は「Minimal - 銀座 Bean to Bar Stand」。アクセスはこちら

Minimalのワークショップは不定期開催でいくつか種類があります。
・カカオ豆からの手作りチョコレートワークショップ
・オリジナルチョコレート作りのワークショップ ~ブレンド編~
・カカオ豆からの手作りチョコレートワークショップ -For Kids-
・Tasting Event -新ラインナップチョコレート食べ比べ会-
・手作りチョコレートケーキのワークショップ

今回参加したワークショップは
「カカオ豆からの手作りチョコレートワークショップ」

19:30分からの参加で、仕事終わりでも参加しやすい時間設定でした。
女性6名、男性2名、合計8名の参加で、募集自体は人数に限りがあるので必ず予約が必要となります。全部で約2時間のワークショップです。
(ちなみに参加されている女性の方たちは皆さん綺麗な方でチョコレートが好きな人は綺麗な人が多いのだなあとドキドキしました。)

チョコレートについての講義


実際にチョコレートを作り始める前にチョコレートについての講義が15分くらいあり、内容はカカオ豆の学名や育つ場所や条件、チョコレートの製造方法などを用紙に穴埋め形式で出題されます。私を含めてほとんどの人が答えることはできませんでした笑。参加されている人たちはチョコレートを食べるのが好きな方や興味のある方がほとんどでしたが、実際に作ったことがある人はいませんでした。

外皮分離・選別

講義が終わり、実際の作業に移ります。
カカオ豆は「ガーナ産」「ベトナム産」の2種類。集まった参加者は2グループに分かれ作業を始めます。カカオ豆はすでにローストしてある状態。ちなみにMinimalでは豆によってローストの加減を変えているそう。徹底したこだわりを感じました。

まず、
カカオ豆を指や手のひらで潰して外側の皮部分を取り除きます。外側の皮にはエグミがあるのでチョコレートにする時には取り除いた方が美味しいチョコレートを作ることができるのだそうです。そして残った部分をカカオニブと呼びます。
カカオニブはスーパーフードと呼ばれ、抗酸化作用があり健康志向の方に人気のある食材です。詳しく知りたい方はこちら

ここで驚いたことが、豆の産地によって硬さが違うこと。カカオ豆を見たことはあっても触ったり、潰したりすることはないのではないでしょうか?

そして何より、カカオニブの香りはとっても良い匂いです。チョコレートの香りより、カカオの状態の香りの方が強くよりフルーティな印象で、さらにそれも豆によって違いがありました。コーヒーと比較されることもあるカカオですが、奥が深そう。


磨砕・調合・精錬

皮から外す作業を体験したのち、すでに剥いてあるカカオニブが登場します笑
なぜならチョコレート1枚作るのにカカオ豆が20〜60個(豆は大小様々なため)必要で、むくのには結構時間がかかってしまうからです。。。それはそうですよね!
カカオニブをミキサーに入れ5分ほど回します。その際にミキサーをぐるぐる振ります。
チョコレート用のミキサーではないミキサーではうまく砕くことができないから出そうです。カカオニブを砕くとただ粉々になるのではなく、ココアパウダーとカカオバターと呼ばれる油分に分かれます。なので砕きにくく、混ざりにくくなってしまいます。(ちなみに別のBean to Bar Chocolate店ではこの作業の後にメランジングと呼ばれるニブの粒子を小さくしより、滑らかにしていく作業を追加して行うのですがそこで1時間かかります。)

参加者で順番にミキサーを振っていくのは不思議な時間でした笑
この工程でできるペースト状のものをカカオマスと呼びます。まだ砂糖が入っていないので味見をしてみると、ガーナ産は「ほのかに甘い」ベトナム産は「酸っぱ!!」という感想になります。ただ、どちらもカカオニブよりもチョコレートの香りがより強く、芳醇。作りたてを味わえるのは本当に贅沢です。

続いて、カカオマスに砂糖を追加していきます。今回使用した砂糖はグラニュー糖でした。ここで砂糖の量によってカカオの割合が変わっていきます。
<カカオニブ100g+砂糖30g>の場合は約76%のカカオチョコレートとなります。
砂糖を追加してさらにミキサーを混ぜていきます。この混ぜる、砕く工程の時間の掛け方で口に入れて噛んだ時の食感が全く異なります。今回のワークショップでは食感の違うチョコレートを2種類作りました。

チョコレートの食感を混ぜる時間で調節する作業は全く未知の世界で、カカオニブの粒がどれくらいの大きさであるかが頼りとなりますが、実際に成型して食べてみないことにはその程度もわかりませんし、均等な粒子にした方が美味しいのか、バラバラにした方がいいのか、カカオ豆が持っている風味に合う粒はどういったものなのか。考えれば考えるほど奥が深いと思いました。

調温・成型

混ぜ終わったものは温かい状態で液体です。これを冷ますといつも売られているおなじみの固形になります。その状態にするためにチョコレートの温度を冷ます必要があるのですが、いきなり冷蔵庫に入れず全体を均一に冷ます必要があります。なのでチョコレートをテーブルに流しヘラなどで広げていきます。もんじゃを焼くときみたいなイメージです。そしてまた中央に集めてそれを繰り返していく。そうすることでチョコレートの温度が整っていき、冷ました時に綺麗な形のチョコレートが出来上がります。これをテンパリングと呼びます。

今回のワークショップではこちらの作業はありませんでした。残念。


最後に型に流しチョコレートの中にある空気を抜くために型を叩いていきます。実際に販売されているチョコレートは振動の機械があるようです。あとは冷やして完成です。


ワークショップでは自分たちで作ったチョコレートを食べること、持ち帰ることができます。

チョコレート作成の工程の中に熟成という工程がありますが、ワークショップでの説明曰く、作られてから1ヶ月熟成されることで味に深みが出てより美味くなるのだそうです。作ったチョコレートは早く食べたいと思いましたが、我慢します。。。

ワークショップについては以上です。ここからはすべて僕の思ったことや、感じたこと想像です。↓



量販店で販売されているチョコレートとの違い

何が違うのか?気になったので少し調べてみました。比べやすい、原材料の比較をしてみました!

量販店チョコレート 75g(カカオ72%)原材料
:カカオマス、砂糖、ココアパウダー、ココアバター、乳化剤、香料、(原材料の一部に乳成分、大豆を含む)

Minimalチョコレート 50g (カカオ71%)原材料
:カカオ豆、砂糖

カカオの配合量はほぼ同じ、販売されている分量は若干違いますね。
原材料の表示方法についてのルールについては消費者庁の食品表示基準をご覧ください。ここで注目したい箇所は2箇所。

・「カカオマス」と「カカオ豆」
・原材料の種類や数

「カカオマス」と「カカオ豆」
原材料に記載する内容は仕入れた状態の名称を記載する(ざっくり説明なので認識が違っていたらごめんなさい)ので量販店の場合、「カカオマス」を仕入れて加工した商品です。bean to bar専門店の場合「カカオ豆」から仕入れて加工した商品です。

原材料の種類や数
量販店のチョコレートの原材料は6個。Minimal チョコレートの原材料は2個。

想像ですが、量販店のチョコレートはカカオ豆の選別は手作業ではなく機械で行われていて、皮を剥くことも機械が行なっているので手作業で行っていたら商品に使わない、使えない部分も入っていたりします。それでも味が美味しくなるように原材料を増やしたり、香料を追加してりして美味しく、大量生産ができるようになっているのだと思います。

Bean to Bar Chocolateはエモいお菓子

ここまでで何が言いたいかというと
決して、
・量販店のチョコレートが体に悪い
・添加物が入っているから食べない方がいい
・Minimalの方が体に良い


とかそういうことを言いたいのではありません。
伝えたいことは、Bean to Bar Chocolateの美味しさとエモさです!!!!

Bean to Bar Chocolateは手間暇がめちゃくちゃかかる。こだわればこだわるほど時間もかかるしめんどくさい。ワークショップで簡単に作るとしても2時間かかるし、お店で豆から販売するまでにかかる時間はもっとかかるでしょう。もちろん機械を使って自動化させたとしても、豆に合わせ、より美味しいチョコレートを作るために実験を繰り返すのは大変だと思いました。特別Bean toBar Chocolateだけが時間がかかると伝えたいのではなくて、量販店で販売されているチョコレートでも十分に美味しい、でもBean to Bar Chocolateだから味わえる風味や食感がある。

そこに美味しさを探求する人間の感情を感じました。最近よく見かけるBean to Bar Chocolateは人間が求めている複雑な旨味なのかもしれません。
それをぜひ味わって欲しい。美味しいチョコレートは作り手の熱と地球が生んだ自然な美味しさが含まれていることを感じられる。エモさの塊だと思いました。
もっとチョコレートについて深く知りたいと思いました。

おわり



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