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畑仕事とトンチンカンな話
8~9日は雪が降り、こたつむり化した父は退屈だったようだ。2日たち畑が乾いたので、長靴を履き、3か月ぶりに畑に出た。
家の前に畑があり、母の領域と父の領域と誰も使わないから私が草むしりをする場所がある。
11月に入院後、もう父は畑仕事はできないと判断し、母が父の領域に草が生えないように、黒シートをしきまくった。だが、足りなくてあるものはなんでも使った。古いゴザやカーペット、風で飛ばされるので石や木や竹を上に乗せた。それでも足りず、菊の枯れ株やら片付けるのが面倒な枯れ植物がのせてあった。
今日は、じゃがいもをまく準備段階として、土の上にのせられたモノたちを父と一緒に片付けた。再利用できそうな黒シートは巻き取り、ゴミは燃やした。今までは、畑で火を使うのは憚られたが、枯れ木や枯草を軽トラで運んで邪魔にならない場所へ移動する力が父にはない。
1時間半かけて、父の領地の半分が顔を出した。私が疲れたから今日はこのくらいにしようと。ちなみに父はこの作業の前後に発泡酒を1缶ずつ飲んだ。
その後、私が今とても気になってる話を父にした。
「お父さんにとっては、どうでもいいことで、私にもどうでもいいことだけどちょっと聞いて。渡辺明が、手術で休場して、復帰したけど、A級を足が痛くて2連続投了して、今日は棋聖戦を不戦敗にした。同じ姿勢で長時間いられないんだって、このままではA級から降級しちゃうよ。」
父には、聞こえていなかったようだ。返ってきたのは、「年金は払った方がいいよ。俺んちも年金がなかったら大変だ。」
解説すると、私は見る将棋ファンを15年していて、自分では指さないが、将棋界のアレコレをウオッチしている。渡辺明九段は、藤井七冠の前の名人で、フットサルでケガをして年末に手術をした。父はNHK杯をテレビでかかさず見ているので、将棋はわりと詳しい。
だから一気に話してしまったのだが、何をヒントに年金にたどりついたのだろう。知らない人の前でこれやっちゃたら、ボケてると思われちゃう。本当は渡辺明が離婚したことも話したかったが、やめた。父にはどうでもいいことだから。最近の最大関心事がこんな話で、つまらないと思った方にはごめんなさい。