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【アート×教育】 - アートに触れると頭が良くなる、その仕組み
数学や国語といったより実務的な科目に時間を割くべきだ、だから芸術の授業は必要ない。
学校の授業時間はますます増え、教科書は増え、「学ぶ必要がない、重要度の低い」と判断された科目は追いやられてしまう。
絵が上手いか下手かだけで成績が下され、もれなく「下手」の判定を与えられた子供たちはどんどん自信をなくしアートから離れていく… そんな光景を目にしてきたし、それは学校教育が犯してきた罪だ。
しかし「いかに学力テストで点数をとれるか」「アートはただの遊びだ」なんてことばかり考えるような私の周りの大人たちとは真逆のことをする世界を見つけ、私の体に電流が走った。
「アートは人間性を豊かにするだけでなく、アートを通して養った力は国語や数学の成績をも伸ばす」
そう信じる人間たちは「アート×教育」で子供たちの無限の可能性を開花させてきた。
アートで養う批判的思考
私は世界中の有名大学や機関の授業が無料で受講できるオンラインサイトに登録した。
外国語、プログラミング、社会学、教育、デザイン、生物、数学、哲学、環境…
大学がそのままオンライン上に存在しているかのような充実度で、年齢や職業に関係なくインターネットさえあればどこにいてもアクセスできる。
その中で最初に選択したコースは、
“Teaching Critical Thinking through Art with the National Gallery of Art”
ワシントンD.C にある美術館監修のコース。
実際に美術館に展示されている絵画を使用しながら、絵画を鑑賞するときに用いる思考のプロセスを学び、それを教室にどう当てはめていけば良いかを学んでいく。
教育や指導方法などを学びたい人、また教育関係者ではなくてもアートが好きな人におすすめのコースだ。
このコースでは投げかけられた問いに答えながら自分で芸術的思考を学ぶのはもちろん、実際の教室で教員がどのように絵を使って子どもたちに授業をしているのかを観察できるビデオが用意されている。
「この絵の中に何が見える?」
「色や線、形についてどう思う?」
「この絵を描いた人に質問したいことは何?」
「もしあなたがタイトルをつけるなら?」
先生が質問し、子供たちが考え答えていくと、どんどん面白い発見をしていく。
すごいと感じたのは、タイトルの正解を言う前に子供たちがほとんど当てていたこと。
複雑で曖昧な絵にもかかわらず、必死に自分なりの解釈をし、アイデアを出し合う子供たちの力は想像以上だ。
また先生もすぐに正解を言うことも考えを否定することも決してしない。
「どうしてそう思ったの?」
「ほかのタイトルのアイデアある人いる?」
などどんどん発想を促していたのが印象的だった。
「なぜ」の質問から「どうして」を考えさせ、「結果」に導く。
まさに批判的思考を養っているのだ。
質問に正解があったとしても、それを見つけることだけが学びじゃない。
その「正解」は大人が一方的に子供に求めているだけだったりする。
正解なんてない、あっても一つじゃないのが当たり前な世界で「自分で問いを見つけ考え、理由とともに納得する答えを導き出す」力をつけるのに最適なのは、やはり描き方や解釈に無限の可能性がある芸術なのかもしれない。
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