【散文】55歳にもなって毎朝30分叱られる人生
先日、ひさびさに上司と長話をした。仕事中に1時間以上も話してしまったけど、まあこういうのも悪くない。
その中で、元同僚の話が出てきた。
どうやらその元同僚は、いまヒドイ目にあっているらしい。
上司は地銀から出向してきた人で、そのままウチの会社の社員になった。
55歳が近づいたことで、出向に回されたのだ。
決して仕事ができない人ではないが、仕事ができるからといって役員になれるわけじゃない。そこには運不運もあるだろう。
上司のかつての同期たちも、それぞれ出向して行ったようだ。
そんな中、同期の一人であるAさんが最近出向したらしい。出向先はグループ会社で、その会社の専務として行くことになったそうだ。
僕はある案件でAさんと絡んだことがある。Aさんはそのとき支店長で、案件が難しいものだったので直接出てきていた。
Aさんは温和な方であり、草食獣系の人だ。まあどう見ても血で血を洗う金融の世界で上り詰めていけるタイプではなかった。出向は当然であり、驚きはなかった。
そのAさんが専務として出向した。まあそんなに悪い話ではないだろう。
しかし、上司曰く、とても辛い状況にあるという。
なんと、毎朝社長から30分説教されていると言うのだ。しかも立ったままで。
その社長はグループ全体の取締役であり、トップを狙っているとのことで、自分が任されているグループ会社の業績に徹底的にこだわっており、No.2であるA氏が日々絞り上げられているらしい。
55歳を超えた支店長経験のある会社員が、毎朝若者の如く叱られている。
それを聞いてから、考え込んでしまった。
中年の会社員は、一体なんのために生きているのだろう?
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会社員としての「あがり」は人それぞれかもしれないが、たいていは役員就任だろう。
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