『SUNABACO BootCamp in 八代』参戦記 〜人生が変わる空間〜 【後編】
2023年6月3日
《2日目 熊本県八代市》
二日間にわたる『SUNABACO BootCamp in 八代』がいよいよ始まる。
そのトップバッターが猫山課長こと僕である。しっかりと次に繋げなければならない。会場は大入り満員。責任重大である。
僕のセミナーテーマは以下のものである。
SUNABACOのスクール生は「稼ぐ力」をある程度身につけている。またはその過程にある。
彼らは自分の勤務する会社で、SUNABACOで得たスキルを発揮するだろうけど、中には独立開業、つまり起業を目指す人もいる。そして起業する際には開業資金が必要になることがほとんどだ。
しかし、普通に生活していて「資金調達」に詳しくなれる機会はほとんどない。なぜなら、それは勤務している企業の誰かがやってくれていたから。われわれ会社員は高度に分業化された環境で生きている。
小さいながらも会社を経営するにあたって、資金調達についての知見がないのは致命的だ。会社の状態が悪い時も、良い時もその知見は必要となる。かと言って、それ専用の人員を雇うことは負担が大きすぎる。最初はやはり自分でなんとかするしかない。
今回の僕のセミナーは、何億も必要なスタートアップ向けではなく、あくまでもスモールに事業を始める人向けの内容とした。
なので、細かい財務の話なんかはせずに、金融機関との向き合い方、目線の合わせ方、理解してもらうための手法などを中心にやらせていただいた。
おかげさまで?融資審査はChatGPTに代替されておらず、審査は人が行っている。人というのは感情の生き物であり、また金融機関の人間はパターン化されているので、コツを押さえれば攻略は可能で、再現性が高いものとなる。
とは言え、時間は90分しかない。できれば1日かけてやりたい内容である。なので本当に大切な部分だけをお伝えした。
特に以下の部分は起業する際に本当に重要な考え方なので、力を込めて語った。そうしたら、なかまこさんから補足が飛んだ!
全くもって素晴らしい補足である。僕が言いたかったのはソレ。もう僕が言ったことにしたいくらいである。この人は本当にすごい。
沢山のご質問もいただき、また笑いもあるなどこれ以上ない形でセミナーを終えることができた。
これにて、メインチャレンジはめでたく終了である。
次は、なかまこさんと、銀行をやめた「辞め銀」のうたのんさん、そしてうたのんさんのアフィリエイトの師匠であるあだち先生とのセッションとなる。
会社を辞めて生きていく、または現状から収入を増やすにはどうしたらいいか? その手法というよりは達成までの道程、覚悟、視点を実践者の口から聞ける貴重な機会。みんな一様に聞き入っている。僕も最後尾から拝聴させていただいた。
続いて、本日最後のセミナー。
農業とITをテーマとしたセッション。こちらはアーカイブがあるので是非視聴してほしい。
SUNABACOは今年「ヤツシロヤ」というブランドを立ち上げ、熊本県八代市で栽培された農産物の加工品の販売を開始している。
綿密に設計された商品企画と販売戦略により、出だしから販売好調ですぐにsold outになってしまうほどの人気を誇っている。そして先日、なんと第五回ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会で銅賞を受賞してしまった。凄すぎて言葉もない。
なのでしっかりとトークを聞くべきであるが、セミナーの疲れがドっと出てしまってグロッキー気味になってしまった。
喉も乾いたので2Fでやつしろサニーサイドファームの農家の嫁ことあかねちゃんから甘夏のジュースをいただく。
僕は酸っぱいものが苦手で、特にフルーツの酸っぱさはダメなのである。でも、このジュースは美味しく飲めてしまった。疲れた体に染み渡る。本場は違うのである。
1Fに降りて、セミナーを遠巻きに見る。入り口近くにSUNABACO代表のお一人であるかりんさんとお話をさせていただく。かりんさんと話すのは本当に楽しい。
かりんさんは「SUNABACOを理解するにはそれなりのものが必要」とおっしゃられていた。僕もそう思う。
僕が1年前にSUNABACOに初めてダイブした時、それは単なる思いつきだった。そう思っていた。
でも、それは違った。僕はSUNABACOにダイブできるだけの準備ができていたのだ。
このままで生きていきたくない。どうにかして現状を変えたい。でも、どうしたらいいかわからない。独力では、もうどうしようもない。
人生を変えたい。そんな願望の中で、日々出口なく生きていた。
鬱屈した感情が、自分というコップのぎりぎりまで注がれている。あともう少しで、外に溢れ出す。
そんな状態で、SUNABACOが現れた。僕は自分勝手に、SUNABACOに自分の人生の変革を託したのだ。
人生を変えたいという強い思い。それがあるから行動するし、僅かなものから学ぼうとする。
その必死さがなければ、SUNABACOから何かを得るのは難しい。
かりんさんはそう言っている気がする。
SUNABACOは人生が変わる空間だ。それは間違いがない。実際に、僕は変わったのだから。
でも、その空間に「いるだけで」変われるかと言えば、決してそうではない。
人生を変えたいと強く、そして真摯に願わなければ、SUNABACOの力を借りることはできない。その力は無条件で付与されるものではないのだ。
僕は、この1年でそれを痛感した。
SUNABACOはゆりかごなんかじゃない。同志が集まる最前線の基地なのだ。
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セミナーが無事終了した。ここからは懇親会である。
みんな集まって乾杯の合図でスタート。Twitterでしか交流してない方々とリアルに会うのは本当に楽しい。最初は戸惑っていたが、最近は病みつきである。1年前から成長している点である。
おかしな飲み物が作られている。大鍋に水と氷と焼酎を並々注いだもの。おたまでサーブすれば速いよねってなコンセプトのクレイジーな形式である。初めてみた。沖縄の作法らしい。MAD CITYなのかな?
ここからは僕も飲んでしまうので記憶が定かではない。旅の疲れとセミナーの開放感からアルコールが吸収されすぎてしまう。
そして、締めのお楽しみ。ごっちさんの豚骨ラーメン。これが楽しみだった。
みやさんと並んで食べる。二日にわたって仕込まれたスープは絶品とした言いようがない。チャーシューも半端ない。これが趣味で作っているシロモノであるとは到底信じ難い。釣果を捨て、豚骨に全てを捧げた男の執念の一品である。
心地よい疲れと共に、ホテルに到着する。いや、本当に疲れた。でも、やりきったなと自分を少しだけ褒める。
シャワーを浴びてベットに入ると、すぐに寝てしまった。
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2023年6月4日
《3日目 熊本県八代市〜帰宅》
5時に目が覚める。覚めた瞬間に、やばいと思った。
頭痛がする。体調が悪い。
しかし、今日は朝からやつしろサニーサイドファームの健太くんの果樹園で農業体験があるのだ。
健太くんの家は農家で、熊本県八代市特産の晩白柚を栽培している。
晩白柚は世界最大の柑橘で、とてもおいしい果物であるが、とにかくでかい。たまげる。
今回はこの晩白柚の果樹園で作業するみたいだ。興味があるので参加したいが、体調が気になる。まあそのうち良くなるだろうと思い、ホテルを出る。
SUNABACO八代から果樹園まで送迎してもらう。早朝だというのに参加者は多い。皆元気である。僕とは違う。
健太くんより今日の作業の説明を受ける。どうやら晩白柚の実に袋をかけていくらしい。
これは晩白柚を表面的に守るためでもあるが、雨から守るためでもあるらしい。病気は水で感染するとのこと。そんなことは全然知らなかった。
みんな散り散りになって袋がけ作業を開始する。あれほど大きな晩白柚も、6月の時点ではとても可愛いサイズである。
12月の再会を祈りながら袋がけをしていく。実を探しながらの作業はなんだか楽しいものであった。
農業体験が終わり、SUNABACO八代へ帰還する。すると、なかまこさんが朝食を作って待っていてくれた。スパイスのいっぱい入ったカレーである。
この時、引き続き体調が悪かった。正直食欲もなかったが、カレーなのが救いだった。しかも、これはほぼ薬膳カレー。体調が戻るかもしれないと思い、口に運んだ。
うまい。マジで薬膳だこれ。
食った瞬間に身体にいいのがわかる。これはいけるかもしれない。そう思って一気に平らげた。
食後は時間があったので、近くのマックスバリューまで歩き、薬と飲み物を買いに行った。
「近くの」と言ったが、あれは嘘だ。遠い。体調不良の僕には遠すぎる。ふらふらと歩いてなんとか到着する。
そして、マックスバリューは寒い。寒すぎる。死んでしまう。
薬を探す。ない。どこにもない。店員さんに聞く。
猫山「少々体調がぴえん🥺でして」
店員「当店に薬はありません」
ぴえん超えてぱおんである。でも仕方ない。水を買って退店する。
しかし、歩いているとだんだん体調が良くなってきた。確かに復調してきているのを感じる。これは明らかに薬膳カレーの効能だ。マジのマジでありがたい。なかまこさんに感謝である。あのカレーじゃなかったらここでイベントドロップアウトであった。
そして、最後のメニューは川遊びである。
ここからは2班に分かれる。川遊びとキャニオニング。僕は時間的に川遊びを選んだ。
キャニオニングは上流から渓谷を下っていく遊びで、川の全てを全身で体感するダイナミックなアクティビティである。詳しくは昨年僕が体験したnoteを読んでいただきたい。激しくおすすめである。
川辺に到着すると、すでにテントサウナが設置されていた。
そう、テントサウナである。これが目当てだった。
僕はサウナが苦手であるが、今回は入ろうと決めていた。なぜなら、それが今回の旅の二つ目の目標であったからだ。(一つ目は前編に書いています)
テントサウナで、なかまこさんと2人で話したい。これが目標。
なかまこさんは忙しい人だ。イベントの時も常に周りを注視し、配慮を欠かさない。だから、なかまこさんとイベント中にゆっくり話すことは不可能だ。そして、僕は大抵の場合イベントでしか来ない。お手上げである。
でも、テントサウナなら話は別である。2人きりになれる。そう思ったのだ。
なかまこさんが1人でテントに入っている。狙い澄ましてダイブする。やっと2人きりになれた。
サウナについてお話をする。2人だけの贅沢な時間。とても、とても楽しい。
初めてSUNABACO八代に来た時に、熊本空港になかまこさんが1人で迎えに来てくれた。その後のSUNABACO八代までの小一時間、2人だけでお話させていただいた。おそらく、それ以来の2人きりの時間。
なんだかもう何年もおつきあいさせてもらっている気がするけど、まだ1年も経っていない。本当に不思議な感覚。
もっと、知りたい。まだ驚くほど、知らない。
自分の人生をカラフルにしてくれた恩人のことを、もっと知りたいと願うのはおかしなことだろうか。
年に何回も会えるわけじゃない。会える時には、たくさん話がしたい。だから話をしよう。そう決めていた。
楽しい時間をいただいた。本当に満足である。そして、目標達成の道具として使ったサウナは最高であった。僕のサウナ嫌いは、どこかに行ってしまっていた。
いよいよ帰らなければならない。熊本空港へ向かう時間だ。
カニエビさんこと藤森くんが空港まで送ってくれるという。普通であれば申し訳ないので固辞するところだが、二つ返事で乗っかってしまった。
なぜなら、彼の車が尋常ではないからである。
モノホンの自衛隊で使っていた車両。これは乗ってみたいに決まってる。全男子がそう思うはずである。
これはちゃんとした自衛隊払い下げのものであり、完全に合法であることをコッテリと車内でレクチャーを受けた。詳しくは書かないが、自衛隊の装備を合法的に入手する話はとても面白かった。「ほーーー!」「へーーー!」の連発である。
あっという間に空港につく。ずっと話していた。本当に楽しかったし助かってしまった。重々お礼を申し上げてお別れをする。
いよいよ、帰路に着く時である。
なんせトラブル続きの旅である。絶対に気を抜くわけにはいかない。とはいえ、飛行機に乗ってしまえば問題ないし、天候もド晴天なので飛ばないわけがない。整備不良とのアナウンスもない。オールグリーンである。
空港内で家族と実家へのお土産を買い、飛行機に乗り込んだ。
飛行機は予定通り到着し、空港で食事をした。その後の車の運転も危ないことは一切なかった。呪われた旅であったが、呪いは解けたようだ。
僕を変えた空間に、1年ぶりに再訪した。
その空間は、1年前と比べてより大きくなっていた。
より、大きな影響力を持ち、より多くの熱意ある人を惹き寄せていた。
SUNABACOは成長を続けている。それは加速しているようにすら感じる。
不安な時代。多くの人々は人生を変えるきっかけを求めている。
今とは違う自分。今よりマシな自分。今より納得できる自分。
でも、日々の生活でスイッチが切り替わったように変化するのは難しい。それは至難の業に見える。
人生を変えるきっかけが欲しい。そう熱望する人は少なくないだろう。
それを望み、人生を変えることに真剣に向かい合いたい人に、SUNABACOはヒットする。惹き寄せられる。それは必然なのだ。
SUNABACOは、自分と他者に対し、真摯に向かい合いたいと思う人にとって人生を変える場となる。
そして、SUNABACOでは真摯な人たちに会える。前向きな人たちと繋がれる。その繋がりこそが、想像もしなかった世界へあなたを連れていく。
SUNABACOを体験しよう。あなたが人生に迷っているのなら。
あなたが真摯であるならば、きっとSUNABACOは応えてくれる。
人生が変わる場所。
必要なのは、ダイブするだけの勇気だ。
自宅に到着する。生きて帰れた。本当によかった。
「まったく、トラブルだらけの旅だったな」
少し笑いながら車を降りる。
家に入ると妻と次女がいる。猫も出てきた。
「ただいま」
そういうと妻が「おかえり」と返してくれる。久々に聞く妻の声。嬉しくなってしまう。
「留守してごめんね。そうそう、お土産があるんだ。熊本空港で買って……」
お土産が、ない。
空港のレストランにおいてきたのだ。なんてことだ!
呪いは、最後まで解けていなかった。
天を仰いて落ち込んでいる僕に、妻が声をかけてくれる。
「まあ、無事帰ってこれたからいいじゃない」
本当に、本当にそうだなと思う。やれやれ。
最高に呪われた、最高の旅。
どうやら、僕は旅が好きになってきてるみたいだ。
《終》