#37 副業で稼ぎたかったら、A5和牛ではなく、カレーになりなさい。
副業をしたい。
人は、どんな状況になるとそう考えるようになるのか?
もちろんそれは人それぞれだが、たいていの場合は「お金が欲しい」と感じた時だろう。実際、僕もそうだった。
僕は金融機関に勤務しているから、給料は悪くない。とはいえ、田舎の水準からして「悪くない」レベルなので、都市部の同業と比べてたら石コロくらいのものだ。
田舎の石コロとして生きていても、生きていくには金がかかる。石コロだって人間としてこの国に生きている。
田舎であっても子どもは大学に進学する。平均所得の低い田舎の子どもだろうが、学費に減免措置はない。また、田舎にまともな大学などないから、子どもは地元を出てアパートを借り一人暮らしをする。居住費や生活費は莫大な額になる。
僕には二人の娘がいる。おそらく両方とも大学に進学すると予想していた。
そうなると、かなり金銭的に厳しいことになるのは目に見えている。貯蓄で逃げ切るのは不可能だ。
二人とも大学に進学する数年後までに、収入を増やしておかないとキャッシュフォローがマイナスになる。マイナスは仕方ないとしても、その幅をどれだけでも少なくしたい。
とはいえ、どれだけ頑張って出世しても、十分な年収までは絶対に届かない。それは、火を見るより明らかだった。
なぜなら、先輩たちの年収を知っていたからだ。
彼らの年収は、僕に毛が生えた程度のものであり、とても余裕がある状態ではなかった。ある上司などは、子ども三人を大学に送ったことにより(一人は在学中)、学資系のカードローンがマックスに達したため、自宅を担保に入れて一本化したという。彼には住宅ローンがなかったというのに、このザマだ。
ここでどれだけ頑張っても、明るい未来はない。
金に追われて、金のことしか考えられなくなり、凶相のまま老人になっていく。そんな人生、冗談じゃない。
ならば、副業をするしかない。そう考えた。
そして、会社と交渉し、副業許可を勝ち取ったのだ。
ここで、課題が立ち上がってくる。
どんな副業をすればいいのか?
どれくらいの稼ぎを目指せばいいのか?
そして、もう一つ重要なことがある。
いつまでに稼げるようになればいいのか?
副業から十分な収入を生み出さなければならないのは、いつなのか?
これにより、戦略は変わってくる。
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カレーライス。みんなが大好きな料理だ。次女は嫌いだけど。
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